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血気と志気

週末から淡路島に来ている。今週金曜日まで、一週間の断食道場入りだ。昨年9月、12月に次いで三度目になる。

この道場は朝日新聞に載ったせいで、ふだんは閑散期ながら、今はかなり利用者が多いという。
食堂で人数を数えてみたら、男性6名、女性12名だった。年齢層も広くまさしく老若男女が利用している。

土曜日の朝、入所時の健康診断で笹田道場町(医師)から健康チェックを受けた。

その際、コレステロールの値が270台になっていることを指摘された。
昨年12月が240台だったので、わずか3ヶ月で30も上昇している。(上限は219らしい)

笹田:(にこやかに)その後、調子はいかがですか?
武沢:この三ヶ月でリバウンドしてしまいました(頭をかく)
笹田:前より2キロ強、増えてますね。コレステロールもそれにつれて増えている
武沢:気を緩めるとすぐに過食、過飲してしまいます。やっぱり目標意識の持続が大切ですね。
笹田:(にこやかに)目標も大切ですが、武沢さんも来月で54才になられる。そろそろ生き方を変えてみませんか
武沢:え、生き方をですか。
笹田:そうです。生き方を変えるのです。
この道場に入所するということは、日常の生き方をふりかえり、ストレスによる過食や過飲、喫煙癖などから卒業するための機会でもあるのです。そのために毎日勉強会を開いていますから利用してください。
武沢:はい、そのつもりです。
笹田:今までの生き方を見つめ直し、新しい生き方を見つけていただくことが、これからの人生を更に豊かにすると思います。
武沢:わかりました、勉強します。

部屋にもどり、ベッドに横たわって笹田先生の言葉を反芻しつつ、昼寝した。昼寝三昧が許される環境って他にはない。
旅行に行けば観光するし、自宅にいれば、家族の手前昼寝三昧というわけにはいかない。
その点、この道場は拘束がない。特に個室を借りると最高に自由だ。

一日三回の食事と入浴時間以外は何をしていても自由。朝昼夜一回ずつ部屋巡回があるが、それも異常の有無を確認する程度ですぐ終わる。

私がここへ来る目的は減量だけではない。休養も兼ねているのだ。

いつもどこかの力が入りっぱなしの私にとって、存分に脱力できるのはありがたい。睡眠不足も一気に解消し、昼寝をあわせて一日12時間も眠るだろうか。すっかり疲れはとれてしまう。

もう一つの目的は計画作り。後回しにしがちな仕事をここで一気にやる。経営計画作りや新しいアイデアの実行計画などをやるには最適な環境だ。

食事がない、酒もコンビニもない、外出が禁止されている、誰にも拘束されない、人の目を気にしなくて良い、などという環境が揃っている場所は貴重だ。

さて、笹田道場町から突きつけられた「生き方を変えろ」という一言、私なりに考えてみた。

人間50年時代の戦国の世なら、54才という年令はとうの昔にご隠居生活でもしていたはず。だが、今の世の私にはそれが許されない。
あまりにも元気だから、隠居したいという願望もない。

ではどうするか。

その回答が、「血気には老少ありて、志気には老少無し」という佐藤一斎の『言志四録』の言葉だと思う。

たしかに血気盛んな20代、30代と同じような生き方をするには無理がある。かと言って、長屋のご隠居よろしく現役を退いて悠々自適を決め込むつもりはない。その中間にあるのが、血気よりも志気が盛んな生き方。ますます志気旺盛でありながら、若い血気の才をマネジメントしていく生き方を見つけていきたいものだ。

五色県民健康村健康道場 http://www.fyu.jp/dojo/