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行動による目標想起

神社へ行った時にはパンパンと柏手を打ってお祈りし、寺院に入れば念仏を唱えて合唱する。教会では祈りの姿勢を捧げ、時にはアーメンクロスを切る。

時と場合に応じて必要とされる動作が違うのだ。

嬉しい時には自然にガッツポーズが出て、悲しい時や苦しい時には自然と頭を抱え込む。うまくいった時は親指を上に立て、ブーイングするには親指を下に向ける。
自分の感情に応じて、万国共通の動作が自然に出るのが不思議だ。

だったら特定の動作によって自分たちの好ましいリズムを作り出していこうじゃないか、というのが『ツキの大原則』の西田文郎氏のブレイントレーニング理論の考え方。

ある特定の動作をすることで瞬時に特定のメッセージを思い起こすことができる。つまり、簡単にテンションが上がってしまう方法だ。

西田氏の指導を受けた駒大苫小牧高校の野球部選手たちは、ピンチになるとマウンドに集まって人差し指一本を突き上げる目標達成のポーズを作った。

勝利の瞬間には、選手全員がマウンド近くに集まってあのポーズをした。それがカッコイイとマネするチームまで出てきた。

だが、あの人差し指のポーズの意味は、「自分たちは一番になるんだ」という意味ではない。
本当は、「強く、楽しく、素直な心」という願いを本能に染みこませる意味があるというのだ。

大脳には、大きく分けて新皮質と旧皮質がある。
新皮質の方は人間の知的活動をつかさどり、旧皮質には動物的な本能をつかさどっていると言われる。

だが、あなたがいくら脳の新皮質で「一番になる」、「成功する」と決めたところで、本能の部分、つまり旧皮質の方で、「勝つのは難しいかもしれない」とか「努力するのは嫌だ」と思っていたら、最終的にはその本能の言う通りになる。

だったら本能の部分(旧皮質)の側で、「勝ちたい」、「勝てる」、「勝つような気がする」、「勝つためにあらゆることをしたい」というような気持ちを持たせることができれば、あとは自然にうまくいく。

勝つことは気持ちよいことだし、勝つために必要なあらゆる準備をしてきた。「自分たちこそ王者にふさわしい」と旧皮質が思っている。
だが高校生ゆえ、試合中はそれを忘れがちになる。だったらお互いのその気持ちを確認しあうポーズを作ろう、ということだろう。

そういえばアテネ五輪の時、水泳の北島康介選手が試合前の選手紹介の時に、胸の日の丸をドンドンしていたが、あれも彼の目標達成ポーズかもしれない。

あなたの会社の今期計画を達成するために、どのようなポーズをとれば良いだろうか。一度考えてみよう。