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デザインが命なのは・・

「かっこわるい」

ただそれだけの理由で車も家も衣服も携帯もパソコンも手帳も売れなくなる。いくら性能が良くてもかっこ悪かったらおしまいだ。

もちろん、いくら外見が格好良くても、中味がともなっていなくては話にならないが、ものによってはカッコイイという理由だけで売れている商品だって少なくない。

だからこの際、反論をおそれずに申し上げる。

「経営も一緒。経営計画書に一番必要なもの、それはかっこよさだ」と。

経営計画書は外見上、かっこよくなければならない。持ち歩くことに喜びを感じるような外見が理想だ。

持ち歩くのにふさわしいサイズ、使うたびに誇りを感じるデザインと質感。
少なくとも昔からある文房具メーカーの紙ファイルに資料をドーンと挟んだあのお役所ファイル的体裁は卒業しよう。

あれを見ただけで、「ああ、旧世代の会社だな」と思われてしまう。

安っぽいプラスチック製カバーにはさむのもやめよう。高級な革製ファイルも結構だが、重くなって持ち歩けないというのも野暮な話だろう。

次に、内容だ。
経営計画書の中味が通りいっぺんで、社内に何の波紋も広げないのではつまらない。
差し障りのない文章、堅実すぎる成長目標をいくら眺めてみたところでテンションが上がる人などいない。

経営計画書の中味は、社長も社員も感動し、涙するようなものを作りたい。

「こんなにもスゴイ会社になるんだ」
「自分たちの未来もここまで明るく拓けてくるのだ」
「ここまで自分たちの未来を真剣に考えてくれていたのか」

と感涙にむせぶものでなければならない。

それは給料をボーンと倍増させるような約束手形を発行することではない。

堅実な昇給計画、着実な職場環境整備や、キャリアアップ計画、教育投資計画など、総合的な面からプロフェッショナル人材を育てることに熱心な会社である、という青写真を示そう。

毎年、毎年、社員の待遇がよくなることを社長も望んでいるのだと教えるための計画であってほしい。

更には、経営計画書はお客に配布できるものでなければならない。

お客のことをこんなにも真剣に考えている会社なのだ、とお客に分からせるものを作ろう。

そして経営計画書は、協力企業や関連会社を涙させ、魂を打ち振るわせるものでなければならない。

経営計画書は発表前が大切だ。

経営計画発表会で大々的に披露・朗読する前に、出来れば全社員と一人ひとり、サシで計画を説明しよう。

集団の中の一人として経営計画の発表を聞くのとはまるで違う受け止め方をしてくれるはずだ。
社員数が多い場合は、必ずしも個別ではなく、少人数の固まりでもよい。

話を元にもどす。

経営計画書は格好いいものにしよう。サイズ、色、デザイン、素材などを吟味し、持ち歩きたくなる開きたくなる、そんなものを作ろう。
それでもやがては飽きるもの。

だったらちょうどいい。三ヶ月ごとに四半期計画を作ろうではないか。

「経営計画はデザインが命」、そんなことを言う経営コンサルタントは私だけかもしれないが、断じて言う。
「かっこよくないと持ち歩かない。見ようともしない、それがデザインの魔力だ」