歴史の授業はつまらなかったが、大人になってから読み始めた歴史小説は大好きだ。授業の中では教わらなかった人間くさいドラマが歴史小説にはあるからだ。
それによって人物に感情移入したり、自分と対比したりできるので、実社会に大いに役立つ。いや、私の人生は歴史小説に絶大な影響を受けてきたと言ってよい。
竜馬にあこがれ、松陰を師とし、信長を畏敬し、秀吉を愛し、家康から学び、謙信を敬い、信玄を見上げた。
旅行好きになったのも、歴史好きが背景にあるからだろう。(酒好きもあるが)
名所旧跡を巡って歴史をたどっていると、今まで断片的だった知識がつながり始め、躍動し、ビビッドな人間ドラマとしてよみがえってくることがある。
今年1月に長岡の山本五十六記念館に立ち寄ったときもそうだった。
山本五十六について、あまりに無知だった。
アメリカのベンジャミン・フランクリンを深く尊敬し、長岡中学校の生徒だった16才の時、自らの英語学習ノートに「不乱苦林」と命名し、猛勉強した五十六少年。
有名な「フランクリン自伝」を筆写するほど、アメリカ建国の父・フランクリンを尊敬していたのだ。
山本には2度のアメリカ生活や9ヶ月の欧米視察経験があり、世界の科学技術の進歩を目の当たりにしてきている。
ボストン在住時には、欧米人の価値観を知るためにシェークスピア全集を英語で読んだりもした。
石油と飛行機の可能性に早くから着目し、メキシコにも飛んだ。
日本の若きホープ・山本にとって、自国がそうした国々と開戦する羽目になるとは知るよしもない。
「不乱苦林」ノートや「筆写・フランクリン自伝」の実物を記念館でみたとき、最後の最後まで日本の開戦に反対であった山本の忸怩たる心情が伝わってくるようでもあった。
そんな山本の遺訓は「男の修行」である。
1月に開催した越後・新潟非凡会の参加者・長谷川さんから送っていただいた手紙に「男の遺訓」が同封されていた。
財界人やスポーツ選手などでこの山本の言葉を座右の銘にしている人も少なくないという。
ご存知の方も多いとは思うが、改めてご紹介したい。
<男の修行> 山本五十六
苦しいこともあるだろう
云い度いこともあるだろう
不満なこともあるだろう
腹の立つこともあるだろう
泣き度いこともあるだろう
これらをじっとこらえて行くのが男の修行である
ウィキペディア 「山本五十六」(こちらにも面白いエピソードが多い)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E4%BA%94%E5%8D%81%E5%85%AD
山本五十六記念館(新潟県長岡市)
http://www.nagaokacci.or.jp/kankou/html/p4_yamamoto.htm