Rewrite:2014年4月4日(金)
「オレを悪役にするな!」
U社の内田社長は、義理の弟にあたる専務に激怒した。
ことの経緯はこうだ。毎月の定例幹部会議の定刻午後4時になっても出席すべきメンバーが半分しか集まらない。ようやく30分遅れでスタートした会議に業を煮やした内田社長は、「君たちはこの会議を何だと思ってるんだ!定刻に来れない者は出席無用だ」とぶちまけた。
その時の専務の態度が社長の怒りに油を注いだ。
首をすくめて「今日の社長はご機嫌ななめ」というようなおどけたポーズをしてみせたのだ。
会議終了後、社長は専務を呼び止め、言ったことばが冒頭のせりふだ。悪役、嫌われ役をすすんで買って出てくれるような人を経営幹部として取り立てたい。社長よりも厳しくなければならない。その厳しすぎる幹部をなだめ、社員の励まし役に回るのが社長の役目、という役割分担が望ましい。
U社ではこの立場が逆転していた。社長が厳しい役を引き受け、専務がそれをカバーする役に回っている。いや、カバーにもなっていない。他の幹部と同じ立場で社長の叱責を聞いていたのではないだろうか。
内田社長の怒りの原因は実は二つのものがブレンドされている。一つは遅刻の多さという現実。二つめは、その現実に対して専務が何も言おうとしないこと。
社長を悪役にしない経営幹部を作ろう。