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心度計

地震の震度はどうやって測定するか。

平成8年3月までは体感と周囲の被害状況から人間が推定していた。同年4月になって「計測震度計」なるもので自動的に測定しているという。気象庁が全国600箇所に設けた震度計がいつも大地の揺れを観測しているわけだ。

情熱や気力、それに覚悟の程度を計る「心度計」が開発できれば、経営者は社員全員に持たせたいと思うに違いない。いや、まずはひっそりと社長自身が測定してみたいことだろう。

「武沢さん、年度末が近いのでボチボチ経営計画を作り始めたいのだが・・・」

この段階で勝負があった。ボチボチの内容しかない考えられていない経営計画書になりそうだ。経営計画は、会社全体の「心度計」の針を最高にもっていくものでありたい。少なくとも計画を発表する経営陣の心度計だけでも最高値でありたいものだ。

以下の事例を再び確認してみようではないか。

・「ツノムラ物語」の津野村社長は、あえて客先を書店に絞り込む方針を打ち出し、会社をV字型ならぬJ字型に急回復させた。
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/010103.htm
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/010104.htm
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/010105.htm

・「コバック物語」の小林社長は、車検のマクドナルド構想を打ち出し、町の修理工場だった同社を全国255店舗を展開するフランチャイズ本部に変えた。
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/011213.htm
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/011214.htm
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/011217.htm

・「エフネス物語」の岡田社長は、IATA公認代理店の殿様商売をみて憤りを感じ、無謀にも資金持ち出し型のビジネスを立ち上げ、成功させた。
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/020115.htm
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/020116.htm

・その他、過去の「がんばれ社長!」で幾つもの好例をご紹介してきたがここでは割愛。

・私が大いに不評を買った「D社の破綻」のD社では、そうしたものを何一つ作れないまま経営計画だけは毎年発表してきた。
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/011227.htm

●これ以上はっきりとした答えはないようだ。トップ自らの「心度計」が社内の誰よりも大きな値を指し、組織全体をリードしたところだけが会社を劇的に変えた。これからもきっとそうだろう。会社全体を大きく軌道修正するほどの方針決定はそんなに度々あるものではない。だが、上記の好例企業では、それに近いレベルでの変化は絶えず組織内にもたらしているはずだ。

心度計は正直だ。同じことを続けると必ず下がっていく。それと気づかずに下がっていく。それをリセットする好機が年に一度の決算期であり、経営計画をとりまとめる意義なのだ。