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営業マンの世間話

某日。
朝っぱらから銀行の担当営業マンにクレームを申し上げた。

彼に差し上げたアポとはいえ、朝から通りいっぺんの世間話を続けられてはこちらだって我慢できなくなる。
なぜなら、普段から午前中にメルマガ発行以外の仕事を入れたことがなく、私にとって午前は聖なる時間なのだ。

「○○さん、申し訳ないが朝から世間話をしている余裕はないので、あなたに差し上げた30分のアポイントだけれど、他にご用がなければ私は仕事に戻ってよろしいですか」

彼はきょとんとしている。

「先輩から引き継いで『がんばれ社長!』を担当してまだ三ヶ月、徐々に武沢社長という人を理解していこう」と思っていたそうだ。
なのに、こんな冷たいことをズバリと言われるなんて。
今まで客先からこんなことを言われたことなど一度もない、という。
37才になるまで彼は、「客先ではまず世間話から入いり、徐々に本題に・・・」というスタイルを愚直に守ってきたそうだ。

「僕は世間話はきらいだけど、あなたも世間話が苦手でしょ」と聞くと「はい、好きではありません」と彼。
「だったら単刀直入に要件に入ろうよ」と私。
さらに、
「失礼ながらその年令で相手の事情を察した臨機応変の対応がとれないようではちょっと情けないですよ」とまで言ってしまった。

とどめは、

「次回以降、”私もあなたも生産的な時間を過ごせる” という自信がある時だけアポイントメントをとってお越し下さい。そうでなければ、私とお目にかかる必要はとくにないでしょう。あとは、うちの経理と連絡をとりあって進めて下さい」

彼の巻き返しを待っているのだが、あれから一ヶ月たった今も彼から電話がかかってこない。

私はこの銀行との取り引きを停止するつもりはないが、このまま行けば他行にくら替えすることになるだろう。
もしそうなったとき、この担当者は上司にどのように報告するのだろうか。
決して自分の問題だとは報告すまい。客先の事情だと答えるだろう。
たしかに客先の事情には違いないが、その事情をつくったのはこの担当者であり、この銀行なのだ。この担当者や銀行は将来、適切な手が打てるのだろうかと心配になる。

多くの企業でこれに類するようなことが営業マンと客先との間で起きている。

あなたは営業マンの上司として、あるいは会社の経営者として営業の現場で起きている実体をありのまま把握する必要がある。営業マンから報告だけを鵜呑みにしていては危険なのだ。

営業マンもフレッシュさや情熱だけが武器になるときもあるだろう。
だが、30代以降ともなればプロの営業マンとして客先を唸らせる仕事をしてほしい。

社長として、営業マンに実績を上げさせながら育成するにはどうすべきだろうか。

それには、いつでも立ち返ることができる基本や原則を教え込む必要がある。
「Back to the basics!」(基本に返れ)であり、「Stick to the ba-sics!」(基本に固執せよ)でもある。

明日は、ある本を題材にしながら、会社をあげて取り組むべき営業のBasics(基本)を確認してみたい。