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生え抜き比率

「有限会社がんばれ社長」が今年初挑戦した新卒採用。予想以上に多くの学生が関心を示してくれてありがたかったし、不慣れゆえに戸惑ったりもした。そんな中、あえて一人の人を選択し内定をお送りしたが、結局は辞退された。残念だが、これも縁だと受けとめるしかない。

他の有力学生には不採用のお知らせをしたあとであり、今さら不採用を取り消すわけにもゆかず、来年はゼロ名の採用である。
だが、新卒採用活動を行ったという実績は残ったわけだし、採用ゼロではなく、採用したが辞退されたということで、去年までとは明らかに違う一歩を踏み出したと思っている。
これに懲りず、来年はもっと充分な準備をして新卒採用にのぞみたいと思う。

もちろん新卒に固執せず、第二新卒でも中途採用でも行っていくつもりだが、中長期的にはプロパー(生え抜き)社員で固めたいという願望がある。
それはなぜか。そもそも生え抜きって何だろう?

辞書によれば、その土地で生まれ育った人のことを「生え抜き」という。ビジネスにおいては、ずっと同じ所に勤めている人のことを指す。
英語では、キャリアー(career)とか、 ネイティブ(native New Yo-rker) などという単語があるのをみると、外国にも「生え抜き」という概念があるようだ。

ところであなたの会社には、「生え抜き」が何人いるだろうか?
また、生え抜き比率は何パーセントになるだろうか?

生え抜き社員の比率が過半数をこえている中小企業は意外に少ない。
その場その場で必要な即戦力社員を採用しようとしていると、結果的には中途採用社員ばかりの集団になるわけだが、これからもそれでよいのだろうか?

私は、中小零細企業でも新卒採用を開始すべきだと思う。同時に、新卒採用をきっかけにして、社員教育制度をつくりあげてゆくべきだとも思う。教育を継続的に行ってきた生え抜き社員が過半数をこえるころ、会社は急激に、しかも音をたてて変わりだすものだ。
それは、想像で申し上げているのではなく、体験で語ることができるのだがここでは省略。
それより、こちらのバックナンバーをご覧いただきたい。

2005年10月24日号 「新卒をとる」
http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=1333

日本経営合理化協会が発刊している『社員がワクワクして仕事をする仕組み』(東川鷹年 著)の中にも次のようなくだりがある。

・・・
現在、西尾レントオールは、社員1130人いるうちの90%以上が新卒採用、いわゆる生え抜き社員である。幹部もほとんどが生え抜き社員で占められている。
私が入社した当時は、社員53名だった。それも私を含めて社員のほとんどが中途採用の社員であったことを考えると様変わりである。しかし、今の状況が自然と出来上がったのではない。意識して新卒採用の社員を増やしてきたのである。
私は38年間人事にかかわってきたが、確信をもって言えることの一つに、生え抜き社員が全社員の半分を超えたとき、会社は大きく変わりだす。
・・・

大切なことは、生え抜き採用と教育を始めることだが、その前提として二つの大きな課題がある。

それは、「理念」と「ビジョン」をもつことだ。

理念とビジョンと採用と教育がひとつにマッチングし、業績が伴ったとき経営者はおのずとカリスマ性を帯びだす。

野球選手がマイナーからメジャーに、そしてスタープレイヤー、スーパースターへとのしあがってゆくように、経営者も節目節目を経験して成長する。

その大きな節目のひとつが新卒採用開始と、教育体系の整備であり、生え抜き社員が幹部になるころ、経営者であるあなたは、上質のクリームのように上部に持ち上げられてゆくのだ。

この夏、あなたの会社を生え抜きで埋め尽くすための作戦を考えてみよう。