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料理人

M氏:「いやぁ、ほんとにカッコいいですね。男のなかの男って感じじゃないですか」

武沢:「いえいえ、それほどでも」

M:「さすが道場六三郎だ。料理人は料理人を知る、っていうのはこのことですね。」

どうやら私ではなく道場さんを褒めたたえているようだ。訳をたずねると、Mさんはこんな話しを聞かせてくれた。

道場さんが盛岡の某料理旅館に泊まった。当然、料理長をはじめ板場には普段とは別の緊張がはしる。そして、夕食の膳がはこばれ、道場氏がそれを食す。

刺身をひと切れ、これは料理人の腕前というより素材に負うところが大きいのでひと切れ食せば、おおむね判断がつく。焼き物、煮物、汁物などが出てくる。こうした食べ物は、料理人の手が加わっているだけに、腕の程度がわかる。

一口、またひと口、・・・そして完食。

ふだん、完食することは滅多にないそうだが、この日に限って道場氏はすべてを平らげたという。

「すごいですね、よっぽど美味しかったのでしょうね」と私が言うと、本当に道場氏がすごいのはそのあとの行動だとM氏。

翌朝、道場氏は料理長以外の料理人すべてを自室に招いた。あえて料理長だけは呼ばなかったのだ。そして、畳の上に勢揃いした料理人の皆さんを前に、道場氏は語る。

「あなた方は幸せ者だ。本当に素晴らしい料理長の元で働いている。これからも一生懸命精進して下さいよ」

料理人も料理長も感動した。

「料理人、料理人を知る」のゆえんだろう。

宿を立つ際には、料理長の横に立って、全員で記念写真。こうしたきめ細やかな道場氏のふるまいは、伝説となって、この地で語り継がれて行くに違いない。そして、料理長や料理人、関係者の心にずっと焼き付けられた記憶として永遠に生き続けるだろう。

Mさん、道場さん、素敵なお話しをありがとうございました。

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<お詫びと訂正>

※昨日号の『ランチェスター時間戦略』の記事に対しまして、感謝のメールに混じってこのようなご指摘を受けました。

・・・
私の父は、くも膜下出血で43歳で死んでます。過労で倒れる体質の人だっているのです。「人に発破をかける為に、簡単に病名を使わないでください。
・・・

と。
竹田先生は講演の流れのなかで私に向かって激励して下さったので、まったく自然な感じでした。しかし、私がそれを文字で多数の方に配信することによって起きる影響を考慮していませんでした。不快な印象を持たれた方々や竹田先生に深くお詫びし、以後注意します。

また、竹田陽一先生の年令を68才とご紹介しましたが、66才の誤りでした。重ねてお詫びと訂正をします。