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顧客へのサービス業

Rewrite:2014年3月26日(水)

成功している営業マンと冴えない営業マンとは意識も行動も違う。
先日、2社の印刷会社営業マンとお会いした。仮にA君とB君にしておこう。まずやってきたのは冴えない雰囲気のB君だった。
私が事前に依頼しておいた見積書を持参してくれた。想像していたよりちょっと高かったが、おおむね理解できたので20分ほどで商談が済んだ。

次にやってきたのはA君だ。
A君は見積書を提示しながらその説明をする所まではB君と同じだ。ところがその後、適格な質問を発して私の仕事の内容を理解し、今後考えていることや今困っていることなどを実にうまく聞き出しいった。そしてA君は、本来の用件以外に、いくつかの仕事案件を持ち帰った。

私が電話で伝えた案件だけを処理したのがB君だ。一方、A君はそれにとどまらずお客を理解しようとした。仕事に興味があるのか、お客に興味があるのか、興味の持ち方によって仕事ぶりは大きく変わってくるわけだ。

過日、ある設計事務所を訪問したときにも同様の出来事があった。
この会社は、最近、営業幹部候補生のC君をスカウトしたばかりだった。そのC君が大手運輸会社を訪問した。その会社が保有する有休不動産を商用利用するために、案件情報を聞いてくるのが仕事である。ところが、彼の仕事ぶりはすごかった。その大手運輸会社の遊休土地リストすべてを入手して帰ってきたのだ。もちろん日本中のリストである。

ビジネスはフィフティ・フィフティだ。
ビジネスはギブ&テイクでもある。

発注者と受注者、買い手と売り手という立場を超越したものの考え方をしよう。自社の製品やサービスをお客に売ることが営業マンの仕事ではない。お客の問題解決や望みの実現のために自社があるのだ、ということを営業マンに分からせよう。

冒頭の印刷会社のB君は、印刷案件をもった見込客さがしに日夜奔走しているに違いない。A君は顧客と太いパイプをもち、信頼関係に結ばれて充実した仕事をしていることだろう。印刷は顧客の望みを実現するための手段に過ぎない。製造業も建設業もサービス業も飲食業もおおよそ事業と呼べるものすべてが顧客へのサービス業だということを忘れてはならない。