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社長のコミュニケーション

先週末の三日間、日本話し方センター主催の「話し方講座」に読者の方の何人かが行かれたようだ。「がんばれ社長!」でおすすめしたせいか、何人かの方が私あてに感想メールを送って下さった。二通ご紹介したい。

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江川先生がおっしゃっていたように、一所懸命。もじどおり命を削って生徒に接し、命をかけてセミナーを開催する。色々な面からセミナーのよさを実感できて本当に良かったです。

涙。 私はそれを拝見させていただいていても涙が出てきました。絶妙な話ぶりで、愛情たっぷりです。セミナー終了後に、先生と握手する時、受講生の殆どが涙を浮かべていました。愛情たっぷりの江川先生と出会う事が出来て本当に良かったと思います。ご紹介いただいた、武沢さんに感謝です。
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話し方の“無免許運転”をしていた自分に気づかされました。誰でも日本語を話せますが、本当の活きた話ができるかどうかは別問題だと思い知った次第。経営者として恥ずかしくなりましたし、これからの課題をたくさん頂戴しました。
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コミュニケーションは、簡単なようで本当に奥が深い。
日本話し方センター http://www.ohanashi.co.jp/

コミュニケーションといえば、
12月3日(火)にマネジメントコーチのセミナーがある。これなども、まさしく組織リーダーのためのコミュニケーションを根本から見直すものだ。より効果的なマネジメントチームをつくるためにもオススメしたい。このセミナーを主催される、大橋禅太郎さんと田口さん(百式)のお二人から「がんばれ社長!」に特別寄稿いただいた。これが、すごく面白いので原文のままご紹介する。

まずは、大橋さんのコラム「復習のOS」から。

・・・復讐のOS

人間が知らず知らずにしてしまう本能の一つが復讐である。復讐というと、一見ドキッとするかもしれない。だが、このしくみ、すなわち他の人が、自分に対して望まない行動をしたときに報復する本能は、人間社会を機能させていく上で不可欠なしくみの一つだ。ほぼ全ての人がこの反応を持っている。また、これにより同時に、ひどいことをされた側は、当然の権利のように、ひどいことをし返すという反面を持っている。

「復讐のOS」チェック
ある会社(あなたの会社でもかまわない)が「復讐の機会を狙っている」社員が多い会社かどうかをチェックする方法。

「復讐するスキを与えてみる」。 例:スキその1:間違ってみる:「フルバヤシ(古林)」さんを「コバヤシさんお願いします」と電話で呼び出してみる。

スキその2:ちょっと無理なことを頼んでみる:「この製本2時間(普通4時間かかる)でお願いできますか?」

その答えがYESかNOかで復讐型の会社なのかを判断するのではなく、その返答の仕方で判断する。
その1の場合、ちょっとイジワルに「えっつ、コバヤシという社員はいません。フルバヤシですか?」と言うのか、「(ちょっと考えて)はい、おつなぎします」(と親切な口調で)でつないでくれるか判断する。
もちろん答える社員によって差はあるが、かなり会社によって傾向がはっきりしている。
いやなことを毎日させられている社員のいる会社では、復讐のチャンスをいつも探しており、確実にその矛先を、社会へ(その一つである顧客へ)向ける。

例えばKINKOSを例にとると:
アルバイトスタッフは毎日「コピーを取らされている」「こんなこと本当は一生やりたくない」と感じる会社から給料をもらっているので、「いらっしゃいませ!」と一見サービスカンパニーとして問題の無い対応をしてくれる。そこで客がスキを見せると、プチ復讐を試みる。

といった具合だ。もちろんKINKOSの中にも素晴らしいスタッフはいるが、多くの場合はこのモデルに残念ながら入っている。

やらされている VS やっている

KINKOSを例にとったが、これはどの産業、会社においても起こりうる
ことだし、また多くの場合起こっている。(多くのレストラン、ホテルもしかりだ)。ではどうするか?まず彼らに「創造することを許す」のである。いろいろな制約がビジネスごとにあり、その制約を明かにし、創造が許される範囲を明確化し、創造することを許すのだ。

「やらされている」→「本来したくないことを他人からさせられている」→ 復讐

「自らの意思でやっている」→「情熱」もちろん、創造したとたんに、今まで扱ったことのない問題が発生する。その問題解決のしくみも含めて、マネージメントは「創造を許し、それによってビジネスにインパクトを与える」しくみを築くことが次の世代の成功の鍵となる。

どんな仕事にも創造の場は存在する。六本木にあるカシータというレストランの雨宮さんはメニューと今日のお勧めを説明するときに、立ち位置を4回変えている(テーブルを一周回っている、まるで彼のディナーショーのようだ)。「ではいかがいたしましょうか?」と彼に聞かれた瞬間、ゲストの一人が思わず(ホストの僕を差し置いて!)「今お勧めいただいたやつ全部」と言った瞬間、他の3人も(僕も含めて)思わずうなずいた。

こういった基本的な人間の反応を、それを具体的にどう会社経営のインパクトに結びつけるか、それが、今回のセミナーの基礎となっている考えなのだ。
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大橋さん、ありがとうございます。次は田口さんのショートコラム
「リーダーのボキャブラリー」です。

・・・「リーダーのボキャブラリー」

百式ナイトや講演などのイベントを通じて学んだことがある。それは人に何かを伝えるときにはメッセージとストラクチャーが重要である、ということである。

特に忘れがちなのがストラクチャー(どのように伝えるか)の方である。いいメッセージであってもつまらない言葉、通り一遍の言葉で伝えていては、聞いている側の充分なアクションは期待できない。

そう考えるとビジネスの現場において今、最もトレーニングされるべきは「言い方」そのものではないだろうか、と思う。最近はじめたマネジメントコーチで学んだのもそこである。意識的に言葉を定義し、伝えていく。社長やリーダーに必要なのはそうした意識的な言葉、つまり「リーダーのためのボキャブラリー」だと思う。

自分はそういったボキャブラリーを意識して蓄積しているか、使っているか。そんなことを考えてみてもいいのかもしれない。マネジメントコーチはそうした気付きを与えてくれる一つのチャンスだと思う。