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他山の石にする


札幌のホテルでもメニューの誤表示が発覚し会見を開いた。おそらく今後も芋づる式に発覚する可能性がある。料理を提供するお店が、食材を偽って表示するということが意図してのものなのか、担当者によるミスなのかはいまのところ分からない。だが、どちらにしても企業としては極めてお粗末なことである。

それを糾弾し、正そうとする仕事は報道機関や法の専門家に任せて、あなたには別の角度からこの問題をとらえていただきたいと思う。今回の食材偽装事件を「他山の石」とし、社内ミーティングで幹部や社員に問いかけることである。

・あなたは食材偽装事件をどう思うか
・こうした問題の根っこはどこにあり、どうすればそれらのレストランでは、再発を防ぐことができると思うか

この二点の考えをまとめて、今度の○○会議に出席してほしい、と呼びかけよう。会議でなくてレポート提出でも良いだろう。そうすれば、他社の不祥事が我が社の教材になる。

私が思うに、おそらくどのホテルでも企業理念やスローガンは正しいものだったはずだ。たとえば、阪急阪神第一ホテルグループのグループ理念や企業理念はこちらのホームページにある。
→ http://www.hankyu-hotel.com/company/philosophy.html
リッツカールトンはこちら。
→ http://corporate.ritzcarlton.com/ja/About/GoldStandards.htm

札幌ルネサンスでも「洗練されたホスピタリティ」「最高基準の品質維持」「こだわりのテイスト」をホームページでアピールしている。→ http://www.rnsph.com/

どこもが顧客満足や顧客感動を理念に掲げている。安心安全をスローガンに掲げているホテルもある。理念が間違っていないとしたら、理念へのこだわり方に問題があったということになる。それは、仕事の仕組みの問題と、心(常識)の問題だ。

ひとつの事例として、秋野つゆ(37歳、女性)という特定のイメージをもって顧客像を語っているのがスープストックトーキョーのやり方である。

社内での会話も「お客」や「顧客」という一般的な単語は使わず、いつも「秋野つゆさんは……」と語ることで抽象的になりがちな顧客像をすりあわせているのだという。

「秋野つゆ」さんのイメージまでかなり具体的になっている。

・スッピンなのにきれい
・流行は追わないのにオシャレ
・フォアグラよりレバ焼きを好む
・装飾より機能を好む
・プ―ルに行ったらいきなりクロールから始める
・どうやら子持ちらしい

そんな秋野つゆさんがこのスープをどう思うか、あるいは、この店内装飾をどう思うか、を社内で議論する。目線はいつも秋野つゆさん。こんなやり方もひとつの解決策になり得るはずだ。

★スープストックトーキョー http://www.soup-stock-tokyo.com/

●もちろんもっと本質的な解決策もあると思うので、社内で議論してみてほしい。

「私はこう考える」「当社はこのようにしている」などのご意見を遠慮なくお寄せください。
→ info@e-comon.co.jp (「食品偽装問題について」)