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目標の共有とは何か

Rewrite:2014年3月26日(水)

ある年まで、私は禁煙に苦労した。毎年のように目標に掲げながら未達成を続け、やがて「おれには禁煙は不必要なんだ」と開き直ったこともある。その頃、目標設定っていったい何だろうという素朴な疑問がわいた。目標を作ったとたんに達成してしまうこともあれば何度挑戦しても達成しない目標がある。
あれこれ考えるうちに、目標にもレベルがあると気づいた。

◇目標レベル1.「禁煙せねばならんな」または「禁煙できたらいいな」というレベル
強制された義務感のような目標で、その必要性が本音レベルまで落とし込まれていない。心から目標に共感していない。本音では、タバコが好きだ。努力や苦労に見合うほど禁煙のメリットを感じていないレベル。

◇目標レベル2.「禁煙すべき」というレベル
最近、せき込むなどの障害があり、愛する家族からも心配されている。もし出来るものならやめたいと思うレベル。でも迷っている。

◇目標レベル3.「禁煙したい」というレベル
タバコは百害あって一理なし、と感じるようになった。お金を出して禁煙道場に通ってまでも、やめたいと思うレベル。

経営目標の共有とは、社長と社員が、ある目標に対して「目標レベル3」と感じあうことである。個人であれば、タテマエとホンネが、それぞれ「目標レベル3」で共有することである。タテマエは「目標レベル3」で、ホンネでは「目標レベル1」という目標では達成しない。

通常、いかなる目標も「目標レベル1」からスタートする。
それは強制された義務感か、もしくは淡い願望だ。そんなヨチヨチ歩きのような目標に、肥料をやり、水をやり、日光にあてることで目標レベルが上がっていく。

企業経営もまったく同じである。
社長にとっても社員にとっても、すべては「目標レベル1」からスタートする。しかし「目標達成エンジン」がある会社では、目標レベルが高速で1→2→3と進化し、達成にむすびつく。
「目標達成エンジン」が弱い会社では、ずっとそのまま目標レベルが「1」のまま横たわっている。

さて、あなたの会社に「目標達成エンジン」を据えつけるにはどうすべきか。それは、形式面と内容面があるが、形式として整備すべき会議やミーティングなどについてみてみよう。企業規模などでも異なるが、おおむね次のようになる。

《会議とミーティング》
1.経営計画発表会(年1回)・・・必須
2.中間決算発表会(年1回)・・・随意
3.四半期業績検討会(年4回)・・・随意
4.経営会議、取締役会議(月1~4回)・・・必須
5.営業会議(月1~4回)・・・必須
6.幹部会議(月1回)・・・随意
7.部署内ミーティング(月1~4回)・・・随意

《報告・連絡・相談》
1.日報または週報・・・必須
2.改善提案制度・・・随意
3.社内新聞・・・随意
4.朝礼・・・随意

《その他》
1.プロジェクト会議・・・随意(特定テーマについて期限付きで課題解決にあたるもの)

「必須」とは、いかなる企業にも必要と思われるものを意味する。「随意」とは、企業によって取捨選択していただくものを意味する。

ある程度の企業になれば、この程度のことはすでに日常的に行われているだろうが、小規模な会社では適当にお茶を濁していることが多い。だが、それは許されることではない。たった一人の個人商店であっても、志ある者にとって必要なものが「目標達成エンジン」なのだ。