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1日2リットル飲水、あれこれ

かなり前、1日2リットルの水を飲もうと声高に叫ばれたことがある。
2000年代の前半、私のセミナーで最前列の男性が2リットルのペットボトルで水を飲んでいるのをみて、そういう健康法があると教えられた。

タレントのみのもんた氏は『おもいッきりテレビ』を通して2004年ごろから『お年寄りは脱水症状になりやすい。夜中に死んでしまう場合もある。毎日2リットルの水を飲みましょう!』と訴えつづけた

それを実践したお年寄りAさん(87歳)が6年後、息が苦しくなった。
水の飲み過ぎが原因と考えられる病気で入院。命があやぶまれるまでの騒ぎになった。家族はみのもんた氏個人を提訴。のちに日テレも提訴した。

「高齢者が食事の飲食とは別に1日2リットル水を飲むのは、心臓に大きな負担になる。誤った療法です。吸水を習慣化する前のAさんくらいの体形(148センチ、42キロ)なら、せいぜい1日1リットル。
心不全になったので、これからはお茶や他の飲み物と合わせて1日800ミリリットルまでにしてください」と医師に忠告された。

それを守ったAさんは、今度は水分量が減ってしまった。
それが原因で腎臓の機能が落ち、腎不全を発症した。心不全の投薬の副作用も出て、聴力が半分に低下。さらには心不全が悪化し、医師からこう告げられた。
「就寝中に絶命する可能性があるから覚悟してください」
家族はみのもんた氏に「水の取り過ぎは人によっては危険。みのさんは医師に確認せずに間違った水の摂取を勧めていた」と訴えた。

その後、裁判のニュースが途絶えたのでどのような決着になったか不明ながら、気になるところである。
この騒ぎが報じられたころ、医師の石原 結實氏が『水の飲みすぎが病気をつくる』を発表。話題になったので、私も読んだことがある。
こうして、水の飲み過ぎはよくないんだという認識がなんとなくできあがった。

あれから3年経った。
私は結石になり、医師から「毎日2リットルの水を飲んでください」と言われた。結石を作らないためにも、また、詰まっている石を取り除くためにも飲水法が有効です。医師から直接そう言われると実践するしかない。飲めとか飲むなとか、どうなってるのだろう?

ネットで飲水法の効果について調べていたら、一冊の本にぶつかった。『病気を治す飲水法』(バトマン・ゲリジ著、中央アート出版)という。著者紹介欄にこうある。
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イラン生まれの医学博士。ロンドン大学に学びセントメリー病院医学校で医師免許を取得。帰国後にイラン革命に巻き込まれて、獄中で患者の診察に当たる。薬が使えない中で、胃潰瘍に苦しむ囚人に水をコップ2杯飲ませただけで癒したのをきっかけに、水だけで3000人の患者を治療し続けた。革命後、アメリカに移住して、水の治療効果を医学的に調べる頭脳集団「シンプル・イン・メディシン財団」を設立、医学と生理学と臨床面から水の薬効を解明し、水に秘められた治癒のメカニズムを体系化した。
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肥満、関節痛、高血圧、コレステロール、腰痛、リウマチ、癌、エイズ、心臓病、胃痛、潰瘍、ストレス、鬱、などの症状改善や治癒の方法として飲水法が効果的、と説いたこの本は全米で100万部を超すベストセラーになったそうだ。これはかなりセンセーショナルな本だ

私も読んでみたが、専門的な記述が多く半分以上は理解できなかったが、水を飲むことの大切さは充分につたわってきた。
関節痛も内臓病も頭脳が引き起こす心の病までもが、そしてエイズまでもが水不足が原因で、水を充分に行き渡らせることで治癒することがあると本書は実証例をあげて説いている。

問題は個人ごとの飲水量だが、体重の3%程度が目安らしい。
70キロの人なら2.1リットル、50キロの人なら1.5リットルが一日の飲水量の目安になる。

Aさんのように42キロの場合は1.2リットルがちょうどよい計算になる。
水の飲み過ぎが害を及ぼすことがある。その反対に、バトマン・ゲリジ博士が指摘するように身体の不調の多くは水不足が根本にある、という学説もある。
体質は人によって異なるので、自分の身体と相談しながら自分にあった健康法を見つけていくしかないようだ。

私は今、せっせと飲水法に励んでいる。

<参考図書>

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