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AIビジネスは日本人向き

NEC の AI 技術と老舗コーヒーメーカーがタッグを組んで発売したのが「飲む文学」。
文学作品を読んだ味わいをコーヒーで再現したもので、一部の店舗で買えるようだ。
『人間失格』を飲みながら『人間失格』を読んでみたいものである
→ https://www.atre.co.jp/store/kameido/shop/news/63594

先日、NHK スペシャル「人工知能 天使か悪魔か」を見た。
AI は私たちの身近なところで活用されている様子がよくわかった。
ピンポイントで予報を的中させる天気予報会社。
AI を駆使する民間企業の予報データを行政機関が利用し、避難勧告・解除に利用している様子を報じていた。

またアメリカでは警察が犯罪予測に AI を使って効果をあげ、病院では臓器移植すべき患者を AI の寿命予測データで決定している。
提供される臓器より需要の方が多い。
人工知能が救うべき人間を決めるわけで、「高齢だから」と断られていた患者が救われ、その人より若い患者が臓器提供を断られるという残酷な事態も招来している。
AI は人によって天使であり、悪魔でもある。

少し前から名古屋の「つばめタクシー」などが AI を搭載し、売上げ改善に役立てていると報じられた。
まだ学習データが足りないのか、劇的な業績改善というほどではないが、人間の勘を頼るよりは着実に売上げが増えたようだ。
今後、データ蓄積が進めばベテランドライバーと新人との売上げ差はなくなるであろう。
→ http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1804/16/news019.html

2010年代に入って一気に普及したディープラーニングは、それ以前からあった「AI」(人工知能) や「機械学習」の性能や可能性を格段に向上させた。
日本ディープラーニング協会の松尾豊氏は「ディープラーニングはインターネットにおける1998年当時の様相と似ている」という。
今日の世界の時価総額上位企業の多くがその当時か、それ以降に誕生した会社であることを思い起こしてみよう。
Amazon、Google、Facebook、Nvidia、Netflix、アリババ、テンセント。
すべて94年以降の会社である。
例外は70年代に設立された Appleと Microsoft くらい。

松尾氏曰く
「おそらくアマゾンのジェフベゾスは死ぬほど考えたはずです。94年に東海岸の会社を辞めてシアトルに移住しアマゾンを起ちあげたとき、今日のインターネットの姿をかなり正確に見越していたのではないでしょうか」

いずれにしろ、AI を活用して世界的な企業に成り上がっていく会社が今後の20年でゴロゴロ出現するということである。
しかも松尾豊氏は「インターネットビジネスは日本人向きではなかったが、ディープラーニングは繊細な物づくりやきめ細かい知恵が必要とされることから日本人向けだと思います」と励ましてくれた。

昭和の日本は高技術・高品質で自動車や家電、カメラや時計などの精密機器などで世界を席巻したようなことが AI 分野でも起こりうる。

私たちの目の前に大きなチャンスがある。

AI で世の中を明るくしていくような新しいアイデアを生みだそう。
そのためにはまず現状把握だ。今なにが起きているのかを入念に学び、10年、20年先の社会を「死ぬほど」考えよう。
ディープラーニングすべきはまず私たちの方なのである。