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シカト禁止!呼び捨て禁止!怒声禁止!

ある設計事務所のオフィスの壁に風変わりな貼り紙があった。
「やめよう!」の文字の下に横を向いたユーモラスな鹿が空に浮かぶ「十」(じゅう)の文字を見上げている。
ひょっとして「シカト」か? さっそく所長に聞いてみた。

所長:そうです「シカト」です。よくわかりましたね。シカト禁止という意味ですが、そもそもシカトの意味はご存知ですよね?
武沢:ええ、無視することですね
所:そうです。花札で、横を向いた鹿の絵柄が10月なので「鹿のとお」略して「シカト」となったそうです
武:たしかにプイと横を向いて無視しているみたいですね。花札が語源だったとは知りませんでした
所:シカトは隠語でしてね、もとは警察やヤクザなどが使う用語だったのがいつしか一般的に使われるようになったそうです
武:ほお、知りませんでした。メルマガで使わせていただきます
所:で、なんでしたっけ?シカト禁止の意味でしたっけ?
武:はい、なんとなく想像はつきますが…
所:ハッハッハ、ご想像の通りです。弊社はあまりに来客が多いので、社員が挨拶疲れしちゃって、お客を無視しはじめた。
人目に付く場所ではありますが、ああして壁に掲示した次第です。

貼り紙の効果はてきめんらしい。来客が貼り紙の存在と意味を知っている以上、社員もシカトはできないだろう。

武沢:おもしろいアイデアですね、どなたの発案ですか?
所長:デザイナーの新入社員です。実は奥にもう二種類の貼り紙があるのですがご覧になりますか?
武沢:是非

奥のスタッフルームには先ほどと同じA3サイズの用紙で「君」「さん」をゴミ箱にすてる男性社員の立ち姿が描かれていた。
所長:これの意味はわかりますか?
武沢:たぶん「呼び捨て禁止」ですね

所:さすがです。当社ではスタッフ間の呼び捨てを禁止しています。
ただ、禁止してまだ1年程度ですからまだ徹底できていません。
そこで新人デザイナーの発案でこれを貼りだしたのです。
武:それにしても凄い数の「君」「さん」のゴミですね、ゴミ箱からあふれています
所:当社ではオフィス内で一日に何回人に話しかけるかを計測したことがあります。多い人では100回以上、少ない人でも最低10回は人に話しかけるのです。
武:その都度呼び捨てにしていたらゴミ箱があふれますね
所:あの絵の通りです

「もう一種類はあれですか?」と私。一番奥の貼り紙はいかにも臭ってきそうな肥溜めの上に「大」「罵」「怒」「嬌」「叫」などの文字が湯気を立てて浮かんでいる。周囲には鼻をつまむ男女の姿。

武沢:これは?
所長:この貼り紙は賛否両論なのですが「大声、罵声、怒声、嬌声、叫声」などの禁止です
武:なるほど、「声」(こえ)と「肥」(こえ)をかけたわけですか
所:そういうことです。分かりづらいのと絵が不快ということで反対意見も多かったのです。しかし大声、罵声などのほうがもっと周囲を不快にさせるものなのでこれを貼ることにしました
武:大声や怒声などがそんなにあるのですか?
所:納期が迫ってきたときや大きなミスをやらかした時には周囲が萎縮するほど大声で怒鳴る役職者がいます。そういう人が一人いると、徐々にそれを真似する人がでてくるからこわい
武:なるほど。それにしても文字ではなく頓知をきかした絵にするアイデアが秀逸ですね
所:これからも独自の啓蒙ポスターをどんどん作っていくつもりです

<今日のポイント>
・シカト、呼び捨て、大声・怒声、それらがない職場をつくろう
・社内啓蒙ポスターは頓知を効かせた絵にすると効果的