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大人の学習スタンス

●「ぼくは社長一年生なので、この講座についていけるかどうか心配です。落伍して皆さんにご迷惑をかけないようにがんばります」とW社長。
たぶん謙遜もあるとは思うが、社長講座を初めて受講される方の多くが同様の発言をされる。

・ついていけるかどうか?
・落伍してご迷惑をかけるのでは?

という発想は学生時代のなごりではないだろうか。
そもそも、”ついていく”とか、”落伍する”ってどういうことをさすのか疑問に思う。
経営者はもっと大人としての学習スタンスを身につけたいものである。

●ラーメン屋に入って「この店のラーメンは自分に合うだろうか?もし自分の口に合わなかったら、ご主人に申し訳ない」と考える人がいないように、大人の学習はもっと自分主体で考えてよい。

●昨夜名古屋で開講した社長講座は全部で7レッスンある。

Lesson1.「がんばれ社長!経営力診断」シートで現状把握、Wish Listの書き出しと整理
Lesson2.経営理念と経営方針(会社と社長を変える理念を作る)
Lesson3.五カ年数字計画の策定(損益と貸借で目標を作る)
Lesson4.顧客創造計画(どのようにして新しい顧客や商品を創るか)
Lesson5.人と組織開発計画(人材づくりと組織づくりの要諦)
Lesson6.経営管理システム(目標管理、会議体系の整備とその運営法)
Lesson7.経営計画の相互発表(成果物を互いに発表しあう)

●教える側として私は、すべてのレッスンが大事だと思い、力を入れて解説する。だが、集まった会社の数だけそれぞれの事情があり、優先順位も異なるはず。

だから大人の学習スタンスとは、テーマを絞って学習し、しかも分かったところだけ注目し、それを活かして会社を伸ばす。分からなかったところがあれば、それを堂々と無視し、今の自分にはまだ縁がない情報だと割り切って捨てればよい。

●たった一度の受講で全部の知識を覚えようとか、全部の計画を作ろうとするから無理がでて焦りにつながる。
何度も通って少しずつマスターしていけばよいのだ。それが本業をもった大人の学習スタンスである。

●また、自分にとって大切なことなのに講師の話が理解できなかったときは「自分の理解力が乏しい」と思うのではなく、「講師の説明が下手」と考えよう。
そして後日、その講師か別の講師にアポを取って個人レッスンを受けに行けばよい。

「分からせてもらったらχ万円お支払いするが、分からなかった時は半額にしてほしい」と言っておけば、専門家もがんばる。

●それでも理解できなかったときは、理解している人を雇えばよい。

最終的には、各々が自分の強みに特化した仕事をすればよいわけで、社長としては自分が何を知っていて何を知っていないかが分かっていれば及第点なのである。

学習に際し、もっと大人になろう。