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観音に不可能はない

●「向こうから会いたいと言ってくる人には決して会わない」とA社長。基本的に受け身のアポには応じないそうで、すべて自分が会いたい人とだけ会うのがポリシーだとか。

●A社長はテレビや雑誌でも露出が多い有名人なので、気軽にアポに応じていては時間が足りなくなるのは私も分かる。氏が若いころに読んだというある名物社長が書いた本にも「目下の人間には会わない」と書いてあったそうで、氏はそれをいまも守っているのだという。

●それを聞いて私は、「そうかなぁ?」と疑問に思った。

人それぞれに時間の使い方のポリシーがあるわけだから、A社長を批判することはできないが、私はそんな打算的な考えになれない。

むしろ、「我以外皆我師」(われいがい みな わがし)と言った吉川英治氏の考え方に近い。

●年下や後輩、異業種の人たちから学ぶことは実に多い。

法華教の教典にもこう書いてある。

・・・なんでも出来る観音(かんのん)

観世音菩薩(かんぜおんぼさつ、通称:観音様)は一心になってその名を唱える者がいれば、その声を聞いてすぐに救いに来てくれる。
そもそも名の由来は、世間の音を観ずることができることから観世音菩薩と名が付いた。この観世音菩薩の名をとなえれば、大火事のまんなかに飛び込んでも決して焼けない。それは菩薩の自由自在な力のおかげ。恐いものがあっても、その名を唱えればこわくなくなる。

男なら女が欲しくて困るとか、女なら男が欲しくて困るような人は観世音菩薩をしょっちゅう心の中で拝んでいれば、その気が起こらなくなる。怒りっぽい人でも腹が立たなくなるし、愚痴っぽい人もそうでなくなる。大変ありがたい人なのだから、しょっちゅう心の中で思い浮かべるようにしなさい。

そう語るお釈迦さまに尋ねるものがいた。
「お釈迦さま、観世音菩薩さんはどういうふうにしてこの娑婆世界にやってきて、どういうふうにしゃべり、どういうふうな教え方をするのですか?」

するとお釈迦さまはこうお答えになった。
それはねえ、仏さまに教えてもらった方がよく分かる人の前では仏さまになるし、欲のない人から教えてもらいたい人の前では欲のない人に、もの知りがいい人の前ではもの知りに、毘沙門ぐらいの威勢のいい人が適当な場合には毘沙門になって教えるし、大金持ちのいうことしか聞かない人の前では大金持ちに、役人にも坊さんにも尼さんにも大人にも子どもにも、男にも女にも人間にも動物にも何にでも、意のままになってあらわれる。だから、いつも観世音菩薩を心の中で拝んでいなさい。

・・・

●観世音菩薩を大切にする人にとって、耳を傾けるべき相手は、周囲のいたるところにいるものなのだ。