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パンツを脱ぐ話

帰り道、あまりにも不甲斐ない戦いぶりに「金を返せ!」とオレンジのメガホンを柱にたたきつけ、憤慨する私。
それがよほど恥ずかしかったのか、高二の息子が「おとうさん、ちょっと声がデカイ。それにメガホンでものを叩くのも良くないと思う」と言う。昨夜の中日-巨人戦の帰り道だ。

「これも野球の楽しみ方の一部だ」と弁解する私だが、多感な高校生にとって私の行為は、野蛮で恥ずかしいのだろう。
二度と付いてこなくなると困るので騒ぐのはやめた。

思春期は羞恥心の塊のようなもの。
やがて大人になるにつれて、不要な皮がめくれていく。
その結果、羞恥心がまったく欠如した大人になるのも問題だが、羞恥心があり過ぎても、成長や成熟のジャマになる。

積極的に自己開示しなきゃならないこともあるのだ。

『魂にメスはいらない?ユング心理学講義 河合 隼雄、谷川 俊太郎 対談、講談社プラスアルファ文庫)に、

「人の成熟とはラッキョウの皮をどんどんむいていって見えてくるものだ」というような言葉がある。

リクルートで営業マンをやっていた小倉広氏は、20代のころ先輩から「パンツを脱いでいけ」とアドバイスされたという。

最初にそう聞いたときはびっくりし、恥ずかしかった小倉氏。今から営業に出かける人に向かって「パンツを脱いでいけ」だなんて。

それから20年たって小倉氏は『上司は部下より先にパンツを脱げ』
(徳間書店)を書いた。氏の今の仕事は会社社長。

リクルートの営業で全国トップになったあと、ベンチャー企業の役員を経験し、人事コンサルティング会社「Faithホールディングス」の社長になったのだ。

氏が20年のビジネス経験の中から学んだこと、気づいたことなどを集大成した“プロをめざす職業人のための仕事術”のような本だ。

この本を読んで私が感じたことは、ある意味、新しいスタイルの社史ではないか、ということ。

創業社長がどのような職業遍歴をしてきたか、その中で何を体験し、何を感じ、何を学んだかを実例を通して語ることは社員教育上もっとも好ましいことだと思う。

そうした意味において、この本を読んであなたもそうした社史的な本を書くきっかけにされてはいかが、と思う。

さすが元リクルート、と思える文章力も参考になる。
まずはご一読あれ。今日までキャンペーンをやっている。

『上司は部下より先にパンツを脱げ』
http://www.faith-h.net/dvd/index_ogura01.html