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“今” を大切にする

ホンダなど、大手企業の一部で「四半期配当」の導入を検討するところが増えている。
これも今日から始まった新・会社法の影響によるもので、今まで中間配当までしか認められなかったものが、配当も企業の自由になるのだ。

四半期配当の導入。

欧米企業に比べて中長期的な視点で経営を行い、目先の利益に固執しないというのが日本型経営の特色だった。
しかし、そうした観念もこれから変わっていくだろう。
日本でも株主に対して利益還元する姿勢を強くする企業が増えそうなのだ。

四半期配当の導入というのは、長期の視点も押さえながらも3ヶ月単位で利益目標を達成し株主に還元するという、経営者にとっては厳しいチャレンジになるはず。

過日、ある経営者とこんなやりとりをしたのを思い出す。

「武沢さん、”400年存続できる会社を作る”というのを我社の企業目的にしたいのですが、どう思われますか?」と聞かれた。

私は即答で反対した。「意味がない」と。長寿であることそのものには価値がない。

400年後に会社があるのかないのかを気にしていては今がおろそかになる。長寿の会社は長寿を目標にしたのではなく、毎年真剣に生きてきた結果が長寿になったという、ただそれだけのことだ。

倫理研究所の創設者である丸山敏雄氏は、次のようなことを述べている。

「修行でも習い事でも何でも、毎日続けるという目標を持つことは間違いだ。大切なのは、今日一生懸命やることだ」

私もそう思う。

5年半前、「今からメルマガを毎日書いて、1400本の原稿を作ろう」などと考えていたら、「がんばれ社長!」は創刊できなかったに違いない。
「今日、一本書く」ということに集中してきただけのことだ。

企業経営も同じだろう。やるべきことを今日やる。それは半年後、一年後のためではなく、今日のためだ。
将来のために今があるのではなく、今日のために今日がある。
今日を大切に生きている企業はそれだけで価値があるということだ。