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アドバイザリー・ボード

可愛い後輩から、「ちょっとご相談したいことがあるのですが、近々ほんのわずかで結構ですのでお時間をいただけませんか?」と言われてムッとする人はいない。私など、後輩のそうした要求に応えながら、コーヒー代までご馳走してしまうことだってある。

何らかの分野において経験と実績をもった人に相談相手になってもらうことができるかどうかは、経営者としてのあなたの大切な資質だ。

経営者として実績のある人や、金融、法律、会計、労務、ITのプロフェッショナルなど、あなたの成功に関係する人たちをブレーンにしてゆこう。

『凡人でも上場できる!起業の黄金ルール』(浜口直太著、日本実業出版社)の中で、米国の起業家が相談役(アドバイザリー・ボード)を多用していることが紹介されているが、日本の経営者にも、もっと広まってほしいことだ。

さて、謝礼はどうするか。
あくまでケースバイケースだが、あなたが若い起業家であれば一年間は無報酬で相談役を買ってくれるようお願いしても失礼ではない。
時間的拘束が少なく、一年限定での無料相談役であれば、あなたという人物を買って引き受けてくれる人もいるはず。

あなたが既に一定の年齢を過ぎて、社長歴も長いのに「無料で相談にのって下さい」では通用しまい。
そうした場合は、ギブアンドテイクでいこう。

金銭報酬を支払うことができれば問題ないが、そればかりがアドバイザリー・ボードへの御礼ではない。あなたはあなたの分野においてアドバイザリー・ボードになってあげればよい。
もし、それほどのものがまだなければ、これからの実績で相談役にお返ししていくことを約束すればよい。
要するに「無料で当然だとは思っていない」ことが伝われば良いのだ。

恩知らず、感謝知らずではいけないが、恩返しすることに急ぎ過ぎても失礼になりかねない。
フランスの啓蒙家・ロシュフーコーは、「あまりにも急いで恩返しをしたがるのは、一種の恩知らずである」とまで言っている。

あなたの周囲にいるプロフェッショナルを上手に活用しよう。いや、お互いに活用しあおうじゃないか。


参考:『凡人でも上場できる!起業の黄金ルール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534040261/