未分類

思い出を売る

メールマガジンの発行を始めて5年5ヶ月。当時、我流でサイトを立ち上げ、アクセスを集めたい一心で始めたこのメルマガが、私の新たな可能性を切りひらいていった。
ネットビジネスの先端を走るような人や、業界や地域で事を成すに違いない逸材ともたくさん友だちになることができた。上海や銀座にまでオフィスをもつなんて。
もしあのとき、メルマガ発行を思いついていなかったら、今ごろ私はどこで何をしていただろう。

メルマガを始めてから起こり始めたうれしい変化のひとつに、本やCD、DVD、教材、レポートなどをお送りいただくことが増えたことがあげられる。
著者ご本人からお送りいただくこともあるし、出版社などから届けられることもあるが、買おうと思っていたものが届いたときなど思わず、「ありがとうっ!」と叫んでしまう。

今朝も叫んだ。
ランダムハウス講談社さんから届いた『トム・ピーターズのマニフェスト3 タレント魂』、『 〃4 トレンド魂』なども、絶対に自分でも買っていた本だ。さっそく本を手にしてスターバックスに籠もり、面白い箇所にポストイットを貼り付けながら読む。

トム・ピーターズのマニフェスト3 タレント魂
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270000856/ 

さすがトムは情熱あふれる経営のグル。こんなにも感情にダイレクトに訴える本を書けるのは彼をおいてない。

「大バカものはロレックスを売る。天才はロレックス流のライフスタイルを売る」
という言葉が目に飛び込んできた。

続きを読んでみると、

「マーケティグの神々に言わせれば、彼らが売るのは『ロレックスの時計』ではなく、『ロレックスの時計をしている気分』。明らかに。」とある。

そうか、天才はライフスタイルや気分を売っているんだ・・・と感心していたら、ふとある人のことを思い出した。一昨日お目にかかってきたばかりのブリキのおもちゃで有名な北原照久さんだ。

北原さんのサイトによれば、氏は次のようなプロフィールをお持ちだ。

・・・1948年東京生まれ。ブリキのおもちゃコレクターの第一人者として世界的に知られている。イベントがきっかけで、「多くの人にコレクションを見て楽しんでもらいたい」という思いで、1986年4月、横浜山手に「ブリキのおもちゃの博物館」を開館。現在、全国6ケ所の博物館館長。現在、東京12チャンネル「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士として、TBS「ジャスト」水曜日のレギュラーコメンテーターとして出演中。TV-CMや各地での講演会、トークショー等でも活躍中。
・・・

北原照久コレクション ↓
http://www.toysclub.co.jp/planning/tintoy.html 

予備知識をあまりもたずにお目にかかったのだが、「おもちゃ集めで成功してしまうなんてすごい。狂気の人だ。だが、この方は、成功すべくして成功された方だなぁ」という印象を受けた。

氏いわく、金もないのにおもちゃ集めに奔走した。お金を借りてもすぐにモノに変わるので、いつもキャッシュがなかった。ちょっと軌道に乗り始めると、8億円もする豪邸を買ってしまい「おい、大丈夫か。気が狂ってないか」などと友人たちを慌てさせた。
だが、今やこの豪邸は氏の顔の一部だ。

誰の前でも気負いもてらいも、損得勘定もない。いつもオープンマインドだ。そして今でも子どものような純真さで還暦以降の夢を見、それを周囲に喧伝する。
知ればしるほど魅力的な方なのだが、じつは、何が北原さんの本当の成功理由なのかその時はつかめなかった。

講演料やオモチャの貸し出し、販売などが北原さんのウリモノなのだろうか?きっと違う。もっと深いところで北原さんを成功させた本質を理解したいと思った私は、彼の著作の大半を買い込んだ。

まだそれらを読み始めてはいないが、先ほどのトム・ピーターズの“ライフスタイルを売っている”という言葉から連想し、ひとつ合点がいった。

北原さんのウリモノは、オモチャではなく「思い出」なんだと。

ブリキの玩具をみたとき、瞬時に昔を思い出す。「あー、懐かしい」という言葉を声に出しながら、脳裏には、はな垂れ小僧の自分を可愛がってくれた両親や親戚のおじさん、オモチャをうばいあった兄弟や友だちを懐かしんでいる。
そして、そんな回顧談を我が息子や孫に聞かせ、彼らにも同じようにオモチャを通して次の世代に思い出を伝承していってほしい。そんな願いを託せる場が北原さんのコレクションや博物館なのだ、と。