「うちの会社には、何ひとつ問題がない」と胸をはって答えられる経営者っているだろうか?
きっといないはずだ。少なくとも私はまだそうした方にお目にかかったことがない。
では、「問題や課題はあるが、困難には直面していない」という経営者はどの程度いるだろう?
正解は、おおむね1割だ。
残りの9割は、「どうしたらよいのだろうか」、というような困難を抱えながら経営を行っているという調査結果が出ている。
これは昨日もご紹介した『中小企業白書』に掲載されている調査で、中小企業金融公庫が「経営環境実態調査」として2004年11月に行ったものだ。
Q1.あなたは今、経営上の困難に直面していますか?
はい、いいえ
Q2.はいの場合、経営に最も影響の大きい問題は何ですか?
売上が伸びない、資金繰難、人材不足、後継者難、技術力不足、その他
当然、従業員規模によってQ1、Q2に対する回答内容に微妙な変化がある。
「困難に直面していますか?」に対して『いいえ』と回答した企業の割合を見てみると、
従業員数20名未満の企業の10.3%、従業員数301名以上の企業の13.6%が「困難に直面していない」と答えている。企業規模が大きいほど、その割合も高くなっているが、おおむね10%強が「困難はない」という。
逆から見ると90%近くの会社が「困難がある」と答えているのだが、その内訳は、
一位:売上が伸びない、減少する(40%~47%)
二位:人材不足(21%~32%)
ちなみに三位の「資金繰難」については
企業規模が小さいほど大きな問題になっている。従業員20人未満の会社の15.7%がこの問題を抱えており、301名以上の企業になるとこれは、3.4%の会社に過ぎない。
整理してみよう。
1.困難を抱えている会社はざっと9割。(残り1割は困難と思っていない)
2.企業規模を問わず「売上が伸びない」が最大の困難
3.企業規模を問わず「人材不足」が二番目の困難
4.企業規模が大きくなるほど、「人材不足」と回答する企業の割合が増える
5.企業規模が小さくなるほど、「資金繰難」と回答する企業の割合が増える