Rewrite:2014年3月20日(木)
世の中あげて「時短」「時短」と叫ばれたときがあった。どこの会社も労働時間短縮を重要課題にした。しかし、考え方は会社によって微妙に異なる。Aという会社は社員を増員することで一人あたりの勤務時間数を減らした。Bという会社は、増員せずに年間休日を増やすことで対応した。Cという会社は、増員もせず休日も増やさず、つまり時短はせずに手当を支給することで時代に対応した。
いま、中小企業で困っている会社の大半はAとBである。人を増やしてしまった、休みを増やしてしまった、つまり何らかのかたちで社員に余裕をあたえたところが困っている。
京セラの創業者・稲盛和夫氏はかつて雑誌インタビューでこう語った。
「不況のときに工場がヒマになると余剰人員で草刈り仕事をさせた。そして工場で働く従業員には、今まで通りフル回転で仕事をさせた。人間はいったん楽な状態を体でおぼえるとイザという時、無理できなくなるものだ」
日本だけ働き過ぎだ、儲けすぎだ、勉強し過ぎだ、と外国に言われ、時間短縮とゆとり教育を始める日本。その反動で今度は景気が悪くなり、教育レベルが落ちる。するとあわてて元にもどす。こんなことをやっていては国力が劣る一方である。
今、元気の良い会社はいまでも社員が猛烈にハードワークしている。一般社員は早く帰るが役員や経営幹部は連日ハードワークしている。しかも楽しそうに。会社には活気があって、行動が素早い。そんな活力ある会社にすることが多くの企業経営者の願いではないだろうか。