Rewrite:2014年3月20日(木)
今日は『保障』について考えたい。
安全保障、身分保障、雇用保障、給与保障などで使われることばで、権利や立場を保護し、守ることを意味する。中小企業経営においては、社長は借金してでも社員にボーナスを払い、業績が悪くなっても忍耐強く社員の雇用を保障する。
ところが、中小企業がそもそも「雇用や給与を保障する」などということが本当に出来るのだろうか?最善を尽くす義務はあれど、保障など誰にもできなのが実際のところであろう。
資本主義経済とは市場原理のなかで動いており、絶えず競争相手からの攻撃や顧客ニーズの変化の嵐にさらされている。そうした環境下で経営のかじとりをする社長の責任は重い。だが、未来永劫に社員の雇用や給与を保障する責任まではないのが現実だ。アメリカのGEを見事によみがえらせたジャック・ウエルチは「社員の雇用・待遇を保障するのは会社ではなく、顧客である」と述べているが、それが真実であろう。
「会社や社長が社員を保障するのではない。あなたの才能・能力があなたを保障する。あなたの才能・能力を評価するのは顧客だ」ということを、社員に心から判らせることが大切である。それは言葉だけの問題ではなく、人事制度でも示さなければならない。
返す刀で経営者にも同じ言葉がふりかかる。
あなたの会社を保障してくれるのは、ひとえに業績だけであって、業界でも政府でも銀行でも社員でもない。景気の悪さや政治家のふがいなさを言い訳に使うことは許されないし、社員の不出来を言い訳にすることも出来ないのである。