同じ業界でありながら、「うちの業界にはろくな人材が回ってこない」と嘆く赤字会社のA社がある一方で、「社員のおかげで本当に助かっている」と社員を誇る黒字会社のB社がある。
なぜ同じ業界、同じ地域、同じ規模、同じ年令、同じ学力でありながら、こんな差が生まれたかのだろうか?
「組織とは凡庸な人たちを集めて非凡なことをなすところ」と定義した学者がいるが、A社に入社する人材もB社に入社する人材にも、もともとの素質には大した差などない。
社員の素質を開花させ、本気で目標に立ち向かう戦闘集団にしたのがB社長であり、それができずに、社員の素質そのものをいつまでも嘆いているのがA社長なのだ。
そのあたり、ランチェスター経営戦略の竹田陽一先生はズバリこう斬る。
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あなた(社長)の戦略実力は同業者100人中、何番ぐらいですか。
業績を良くするには、まず業績の何割が社長1人の戦略実力で決まるか、これをはっきりさせておく必要があります。
(中略)
従業員6人迄は100%、10人~30人迄は98%、30人~100人迄は96%もが、社長1人の戦略実力で決まります。会社は人で決まると言いますが「その人」とは、まぎれもなく「社長自身の人」になるのです。
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弱者必勝の経営戦略 http://www.lb-c.com/
また竹田先生は別の場所で、「日本の会社の95%が従業員30人未満」と書いておられる。
ということは、極端にいえば日本の会社のほとんどは、社長ひとりの実力で決まっている、とも言える。だから、日本を愛する者として、私は、孤軍奮闘する社長のために、「がんばれ社長!」を毎日発行し続けているわけでもある。
会社の問題のすべては「社長ひとりの実力」、と受け入れれば、かえって気が楽だ。自分を変えれば良いだけだから。
もし、他人を変えなければならないとしたら、気が遠くなる。
自分の実力を高める、そのために必要なのは、トップであるあなたが決して失うことのない希望を持つことがすべての始まりだと私は思うのだ。