今回の総選挙の結果をふまえて、私たちはビジネスリーダーとして何を学ぶべきだろうか。「自民 単独過半数の勢い」という声は事前に聞こえていたが、その予想をはるかに上回る自民圧勝、民主大敗劇。
小泉さんと岡田さん、どっちを次のリーダーに選ぶかという選挙において国民は小泉さんを支持した。
「がんばれ社長!」は政治を扱うメルマガではないので、極力政治的なテーマに踏みこまないように自制しつつ、今回の結果の要因を振り返ってみたい。
まずは、読者の方々から頂戴したメールから二つの意見をご紹介しよう。
1.東京都、会社経営 阿部剛久さん、ビジネスブログナビゲーターの松尾さんなどより
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自民圧勝の理由について私なりに思うのは、「メッセージのわかりやすさ」だったと思います。
小泉さんは、「郵政民営化に反対する人は改革を阻む人」、「改革を推し進めるには郵政民営化に賛成する人が当選しなければならない」という単純な図式にしてしまいました。それに背く人は、自民党員だった人も造反組としてワルモノに仕立て、刺客を送り込む。この一貫した分かりやすい構図作りが国民に伝わったのだと思います。
一方、野党のなかでも民主党だけが大敗したのは、小泉さんのわかりやすさを、わかりにくい言葉で批判したからではないでしょうか。
これは、ビジネスにも通じていると思っています。良いものでもわかりにくい説明では売れない。沢山の良さを説明するのではなく、1つの良さに絞ってわかりやすく説明する。そうしたことに気づかされる選挙でした。
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2.長野県、会社経営 Kさん他一名
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私は投票前のテレビ党首会談を今年ほど真剣に見たことはありません。
投票所に行く直前まで誰に投票するか、どの党に入れるか、迷い続けました。世論調査では「自民優位」とありましたので、判官贔屓もあって、新しく政権を担える受け皿作りという意味で民主党に入れるつもりでいたのです。でもやっぱり、投票日の朝、党首の顔を思い出すとどうも民主は暗い。笑顔もジョークもない。どっちの党首を選んでも、この国に変革が必要なのは分かっているのだから、明るくゆとりをもって変革していってほしい。
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3.北海道、会社幹部 Uさん
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民主党の岡田さんは我社の新社長にそっくりです。入り婿社長なのですが、真面目で優等生タイプ。良い人なのにどこか人望が足りない。
間違ったことを言わないのだが、斬新なことも言わない。会長である義父の存在をいつも気にしているフシがあって、どこかサラリーマン社長的。
自民党の小泉さんは、私の前勤務先の上司にそっくりです。多少蛮カラなのですが、信念は曲げない。そして断固やり抜く覚悟をもっている。その上司は、今その会社の役員になって会社を伸ばしています。
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また昨夜、ある経営者グループとご一緒したときには、上記以外にこんな意見もあった。
・貴ノ花が優勝したとき、「感動した」と優勝杯を渡した。それに象徴されるように、喜怒哀楽を表に出す割合といういみで、小泉さんのほうが感情が周囲に伝わりやすい。その分、共感も生みやすいのではないか。
・言葉だけの岡田さんに対して、小泉さんは、対立候補を送り込むなど、短期間にやるべきことをすべてやりきった。その行動の俊敏さと徹底力を国民が評価したのだと思う。
最後に、京都からこのようなメールが。京都非凡会の橋長です。
昨年「志」をテーマに武沢さんとパネルディスカッションで語ってもらった北神けいろうさんが比例で衆院選初当選しました。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005091200070&genre=A1&area=K00
昨年11月の非凡会では武沢先生にお世話になりまして「志」を継続出来ていたのだと思います。
その時に彼の言葉で、道心(ドウシン)の中に衣食(エジキ)あり、衣食の中に道心なしというのがありました。
意味は「たといどんなことがあろうとも、我々は何時も人間らしくありたい。
そのためには平素から、ただ目前の利益だけを追求するのでなしに、職業は何であろうとも、その道に自分を打ち込んで完成しようと、ひたむきな真心をもちましょう。
それで生活が成り立たない筈はない」ということですが、
彼はそれを実践してきました。
詳しくは私のブログにも綴っています。
http://plaza.rakuten.co.jp/regainregain/
政治家にとっての選挙とは、命がけだ。我々投票する側だって命がけで応えたいし、いつもそのつもりだ。