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ウィークリー雑感

ナショナリズムと愛国心

夏本番。甲子園の高校野球大会も佳境に入り、仕事を抜け出してテレビの前にくぎづけになる人も少なくないでしょう。とりわけ、郷土代表の学校が戦っている場合など、気になって仕方ありません。私の出身県である岐阜県を代表して今日、土岐商業が広島代表とぶつかります。広島の皆さまには申し訳ないのですが、今日はしっかりと岐阜側になりきります。

さて、こうした郷土愛が拡大していったものが愛国心になるのでしょうか。今おこなわれている世界陸上や五輪、Wカップなどは国と国の勝負のような気がしてきてついつい熱が入りますね。

さて、4月頃中国で突如、抗日デモ騒動がおきました。
その当時、「愛国無罪」なる言葉が盛んに使われました。愛国心で行った行為は、たとえ行き過ぎがあったとしても、とがめないという意味でしょうか。
愛国心をもつことは、どこの国の国民にとっても大切で素晴らしいことだと思います。しかし、愛国心が高じて排他的ナショナリズムと化してしまったとき、それは「愛国無罪」を通りこして、「ナショナリズム有罪」とでもよぶべき状態になりかねません。
そのあたり、政治経済学のウォルフレン教授(オランダ)は、ナショナリズムと愛国心とは似て非なるものとして次のように論じています。

・・・
ナショナリズムと愛国心、表面的には多くの共通点があるように見えるかもしれないが、まったく別の概念である。アメリカでは2001年9月11日のテロ事件以来、アメリカの一般大衆の感情をかき立て、その結果うまれた過度の好戦的態度を愛国心と呼んできた。(中略)
 ナショナリズムは、愛国心とはまったく異なる心的態度である。ナショナリズムはイデオロギーであり、自分の国は他の国より優れており、あるいは価値があり、したがって他の国々にはない特別な権利を与えられているという理論と結びついている。

(中略)

一方、愛国心(パトリオティズム)は、成熟した心的態度から生まれる。自分の国を愛する気持ちである。愛国心は自分の国とそこに住む人々の幸福に気をくばるものだ。愛国者は自分の国を広い視野で眺めることができる。愛国心は利己的な観点からではなく、その国が他国と仲良く暮らせるようにするにはどうすればよいか、という観点から国の利益を考えるものだ。
 愛国者は自国の欠点や自国が犯した過ちに気づくことができる。その愛国心ゆえに、それらの欠点を指摘し、それを減らす努力をしたいという思いに駆られる。
 真の愛国者は、自国がモラルに反した暴挙に参加したとき、それを恥ずかしいと思う。自国の欠点を直視し、認めることのできる心理的な強さを持っている。同時に、愛国者は自国のよい面もきちんと評価する。

『世界が日本を認める日』(カレル・ヴァン・ウォルフレン PHP)
 第六章より
・・・


戦後60周年を迎えて

私はウォルフレンが語るところの成熟した愛国者でありたいと願っています。
そのためには、自国の歴史、とりわけ昭和の歴史、太平洋戦争の史実についてもっとたくさんのことを知っていなければならないと思うのです。しかし、現実は自らの勉強不足、情報不足を痛感しつつ今の年令まできてしまいました。
 とくに最近、中国や韓国との政治的緊張を報道する番組をみるたびに、自分は何を知っていて、何を知らないかすらわからないもどかしさを感じるのです。

そこで、書店に行きます。そこには、いろいろな本があります。
「南京虐殺」「従軍慰安婦」「強制連行」「東京裁判」「靖国問題」
・・・と、それぞれのテーマだけで何冊もの本があり、著者の立場や思想によって言っていることが真逆だったりします。作者の思想的偏りを感じると、何が史実なのかが見えなくなるし、反面、思想的偏りがない人など存在しないかも知れないとも思えるから、困るのです。
戦争をした相手国とこちらの国の認識誤差はわかるのですが、こちらの国の中でも極端な認識誤差があるのが問題を複雑にしているのだと思います。

とにかく、この終戦60年を節目に何冊か読んでみようと思います。冷静かつ成熟した心的態度で。

今週の本

『報・連・相の技術がみるみる上達する!』(糸藤正士 著、日本実業出版社)
日本報連相センターの代表として、報・連・相といえばこの人という定評のある糸藤氏の著作。チェックシートも付いていて、社内学習テキストとしても使えます。
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賞与に関する情報提供ありがとうございました。

先週お願いしました中小企業の賞与の実態についてたくさんの情報や事例が集まりました。誌面をかりて御礼申し上げます。ご協力いただいた皆さまには賞与実態レポートを8月中にお届けいたします。
「がんばれ社長!」でもいつかご紹介する予定です。