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緊張すること、あがること

昨日、ソフトブレーンの宋さんとジョイント講演をした。
品川プリンスホテル阿蘇の間。出席者370名、運営スタッフを交えると400名近い人たちがソフトブレーン主催の『ためになる中小企業「営業力」セミナー』に集まった。
(広いなぁ、いっぱいだなぁ、知り合いが少ないなぁ)
などと思いながら前方の講師席につく。プロの女性司会者が開会を告げ、宋さんが取材されたテレビ番組が大型スクリーンに映し出される。

宋さんが創業したソフトブレーン株式会社はこの6月1日より東証一部にくら替えになる。三作目となった著作『ダメな会社ほど社員をコキ使う』(通称ダメコキ)も好調で、まさしく“時の人”なのだ。

ソフトブレーン http://www.softbrain.co.jp/ 

宋さんが壇上に立った。あの人を溶かすような笑顔で、ユーモアを交えながらプロジェクターを使って50分間のスピーチだ。要所では身ぶり手ぶりを交えて熱弁となるが、ふと力を抜いてジョークを入れるなど緩急自在の講演だ。さすが。

ついで私の出番がきた。直前の休憩時間に3フロアも上にある洗面所まで走ったせいだろうか?心臓がバクバクしている。
(しまった、はしるんじゃなかった)

深呼吸して心臓をなだめ、落ちつこうとする。
だが、鼓動はむしろ早まってきた。
(これは走ったせいじゃない、緊張だ)
昨年あたりから人前で緊張するということはなくなっていたのに、自分でも驚く。

司会者が私の名を告げ、とうとう出番がきた。

場内にメルマガ読者が4割ほどいる、と知ってドキドキ感はとれたが、緊張はなおも続く。

・・・今こそ誰かに何かを依存するのではなく自前の経営努力によって力強く顧客創造ができるようになろう。そのための顧客創造計画書を作ろう、その中味は・・・
というような話しを進めた。

参加してくれた東京Mさんのメールを見てみよう。
・・・
今日は講演のはじめにおっしゃっていた通り、最後まで緊張しているように見えました。 
武沢先生でも緊張するんだ、と思って聴いていました。ただ、話の内容は、とても勉強になりました。
宋社長の講演を含め、今日の講演は、とても良い講演で、来てよかったです。ただ、会場の雰囲気は非凡会の方が熱いですね。
・・・

私もそう思う。第三部の工藤社長の講演だけでも5,000円払う価値があったと思う。

同じくIさんのメール。
・・・
以前からお会いしたいと思っていまして、本日はご挨拶できて嬉しかったです。本音を言えば、もっとたくさんお話を聞きたかったです。
7つのトピックスのうち、4の「今こそ顧客創造計画書をつくろう」だけでも1時間たっぷり聞きたかったくらいです。
武沢さんの言葉に、なぜ皆これほど影響を受けるのか。なぜ連鎖的に支持者が増えるのか。
印象のコントロール。フォローの細やかさ。
今日とても印象に残ったのは、武沢さんの聞き心地の良い声でした。
(後略)
・・・

声をほめていただいたのは初めてのことだろうか? 光栄だ。

その他にも何通かメールを頂戴し感謝している。
いずれにしても、これほどの多人数で講演することはそんなに経験できることではない。だから心の中に入り込んで、講演のとき自分の中に何が起きたのかを昨夜はじっくり分析してみた。

緊張するということと、あがるということは共に心臓がドキドキするという現象では似てはいる。だが、本来は緊張とあがりは別ものではないだろうか。

緊張とは武者震いのようなもので、良い仕事をするために全身が臨戦体制に入ったシグナルのようなものだ。

プロ野球選手でも毎試合最初のピッチングやバッティングでは緊張するという。緊張程度の大小はあるものの、誰だって本番にのぞむときある程度は緊張するものだ。むしろ適度な緊張がよいパフォーマンスをもたらすものだと思うので、緊張がまったくなくなってきたら、何も挑戦していない証だと考えるべきだろう。

一方、あがるとは相手にのまれて自分を見失い、本来の力が発揮できない状態をさす。あがる時はどんなときか、そしてその対策は。

<以下、明日につづく>