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反日デモについて

今回の「反日デモ」騒ぎで中国という国や中国人に対して悪感情が芽生える日本人が増えることは残念なことだ。
連休のかきいれ時を前にして、訪中予定の旅行者やビジネスマンからキャンセルが相次いでいるともいう。
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/art-20050413204153-GADXOAEQMN.nwc

また、ビジネスマンや旅行予定者のみならず、日本国民から見た中国への感情も悪化している。よほどのことがないかぎり、自国内で生活する外国人の安全を保証できない国に行きたくないと思うのが当然だろう。
http://knowledge.yahoo.co.jp/service/question_detail.php?queId=3781677&flag=2&burl=browser.php?dnum=137&flag=&id=&pg=1&more=Y

たしかに、デモに加わった一部の人の行為や中国政府の公式見解は、批判されてしかるべきだと思う。だが、経営者・ビジネスマンはだからといって中国プロジェクトをトーンダウンさせる必要はない。

昨日お会いした中国人ビジネスマンは上海市出身で、日本に来てからもうすぐ10年。率直に今回の出来事をどう思うか聞いてみた。すると、「デモという行為そのものや、デモにいたった目的などは個人の自由でよいと思うが、日本の大使館や商店への破壊や日本人への攻撃といったことが起きている。目的は正しくても手段が間違っていれば、それは許されるものではない。国際社会から批判されても当然だ」と語った。私も彼の意見に賛成だ。

だが、今に始まったことではない日本と中国、日本と韓国における歴史認識のズレ。宗教の違いが戦争の原因になるというが、歴史認識のズレがあるかぎり、感情の対立はなくならない。

そうした意味で、町村外相の「日中間でも共同(歴史)研究の場を立ち上げる必要があるかな」との発言に私は注目している。
急激に悪化する日中関係は、このまま放置しておいてもらっては困るのだ。健全な相互依存の関係が生まれてきてこそ安心して日中ビジネスに専念できる。いつまでも認識のズレを放置するべきではないのだ。

町村外相の発言の「日中間でも」とあるように実は、日韓間では03年5月から共通の歴史認識をまとめる作業が始まっている。
日韓の作業は難航を極め、今年の夏に活動を終える予定だったが延長継続することとなっている。
容易な作業ではないと思うが、真摯に対話する場を持ち、忍耐強く協議をかさねることが大切だ。

スポーツの応援ならいざしらず、知識不足、情報不足なまま感情だけを先走らせるのは慎みたいものだ。