引き続き中国からのレポート。
広州で書店に立ち寄り、昔ながらの紐とじ装丁の「孟子」を買った。
江戸時代に藩校や寺子屋で使われていたものと同じものだ。この孟子を読んだことがない人でも、”浩然の気を養う”(こうぜんのきをやしなう)などの表現は聞いたことがおありだろう。日本の文化にも四書五経の影響はしっかり残っている。
四書五経とは、「大学」「中庸」「論語」「孟子」の四書と、易経(えききよう)・書経・詩経・春秋(しゅんじゅう)・礼記(らいき)の五経をいう。
私が孟子を買ったのを見て、中国でご案内下さっている楊(よう)さんはこう語る。
「最近の中国の若者は四書五経を読まなくなった。それどころか、論語の有名な一節も通じない人が増えてきた」とこぼす。古典が色あせていくことを何とか防がねば、と思った。
今回の中国旅の特徴は、香港非凡会以外の予定は何もいれていなかったこと。発展著しい中国にあって、華南地区(広州や深セン)を皮膚感覚で知っておくことが目的なので、あまりギチギチに予定を入れたくない。広州と深センそれぞれで一泊する予定だったが、早々に切り上げて今からマカオに向かうことにする。マカオは、ラスベガス資本が参入以後、急成長中の街で、カジノ収入がラスベガスを抜くのも時間の問題だ。その急成長ぶりを今から見に行こうと思う。
さて、このような物見遊山の中国旅だが、三日間にわたってご案内下さった藤さん(47才)をご紹介しておきたい。めずらしい名字だが、福岡出身の日本人。サンフランシスコ州立大学を卒業後、日本の商社に勤務。29才で起業し今年で18年目になる。5年前に香港に移住し、中国法人を広州に開設するなど、生活もビジネスも中心は香港&中国になった。
リサイクルプラスチック事業を展開し、今ではエールフランスやカルフールが入居する広州の一流オフィスビルで6名のスタッフを抱えるまでに業容を拡大してきた。東京・人形町のオフィスも8名のスタッフでフル回転している。
リサイクルプラスチックの利用を促進するために様々な用途開発にも余念がない。スポーツシューズ、バッグ、玩具、雑貨など、日本側から頼まれたものはなんでも作るようになってきた。おしゃれな雑貨商社のショールームの様なオフィスなのだ。また、友人のハンさんとパートナーシップを組んで開発製品の製造にも進出しようとしている。
最近は、個人宅用除雪マシンや、ペット用品、万能刃物研ぎ、センサーライトなどを開発し、日本や欧米に販路を開拓している。
・株式会社BAF(バフ) http://www.baf.co.jp
・藤社長にメールする shuji@baf.com.hk