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読書マネジメント

昨年、ある非凡会講演でのこと。講演中の私に幹事からこんなメモがまわってきた。

「武沢さん、前回の非凡会のときと完全にお話しがかぶっています。そろそろ今日の演題に入ってください」

“えっ、そうなの?やっちゃったよ。しまったなあ”と内心で動揺が広がり始めると、調子が一気に落ちてきて講演がしどろもどろになった。運悪く、そんな時に限って家内が見学にきている。

じつは私は、事前に用意した講演ネタを元に話しをするのが好きでない。嫌いといったほうが良いと思う。各地の非凡会に集まってくれる幹事さんやメンバーさんはその事にうすうすと気づいているはずだ。
私が得意なワザは、そのTPO(時と場所と状況)にもっともふさわしい助言や事例を瞬時に検索し、それをわかりやすく伝える技能にあると考えている。

だから、「中小企業の21世紀戦略」とか、「起業家として成功する7つの秘訣」などの演題をもらっても、聴衆に向かってどのようなお話しをして良いのか分からず、結局は、毎回同じような話しをしてしまうことになる。誰が来るのかわからないから、それも当然だろう。

そんな私の性格を見抜いてくれたのか、先週末、岡山非凡会幹事の池本さんは私の基調講演時間をわずか30分にし、残りの一時間を質疑応答時間にあてた。
講演前に質問カードを全員に配布し、30分のミニ講演のあとにそれをすべて一問一答で応えていくのだ。一問一答とはいっても、回答に10分ほど要するものもあったり、質問者と一緒に悩んでしまったりと、ライブ感があって私も参加者も楽しいし、中味が濃い。

そんな質問カードの中に「読みたい本はどのようにして探していますか?」というものがあった。良い質問だ。
今日はこれをテーマにしよう。

きっとこの方は、本の選び方に困っているのか、あるいは私が面白い本を見つけてくるのが上手いと思ってくれていて、その秘訣を知りたいのか、いずれかだろう。

私の場合、本との出会い方は大別して二つしかない。

・自力で見つける
・情報で見つける

自力で見つけるには

書店で、ネットサーフならぬブックサーフするのが好きだ。必要な栄養素を身体が欲するように、必要な情報や知識を感性が欲してくれるのだ。とくに、目標意識や成長欲が強いときほど感性は高くなり、書店で買う本も増える。私の場合、ほしい本がなかなか見つからないときは不調の証となっている。

情報で見つけるとは

昨日、プレビの増永さんと半日名古屋でご一緒したが、氏との会話の中でも私が買うべき本が二冊見つかった。この場合は「会話」が情報源だ。

また、月刊トークスや経営予測エイジなど、信頼できる情報誌紙をきっかけにして本や雑誌にたどりついていく事も多い。この場合は、「情報誌紙」が情報源だ。
また、最近ではamazonサイトでの情報から本に出会うことも少なくない。

このようにして情報ソースには事欠かないはずだが、問題は読書計画である。三つの視点で読書をマネジメントしよう。

・年間何冊の本を読破したいのか、という読書量のマネジメント
・読書テーマをどのように割り振るか、という読書テーマのマネジメント
・読書から何を吸収し、記録し、実践していくかという消化吸収のマネジメント

である。

<明日に続く>