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念ずれば花ひらく

米国では、自らの人生やビジネス成功のノウハウをプログラム化(教材化)し、それを販売して前以上に成功した人たちがいる。
SMI(Success motivation Institute)の創始者、ポールマイヤー氏もその一人。

SMIサイト(英語)
http://www.success-motivation.com/jp/index.php 

マイヤー氏が提唱する「百万ドルの成功計画五則」のうち、一番重要な位置づけにくるのが、一番目の原則「Crystalize your thinking」というものだ。あなたの考えを水晶のように透明に、そして硬く結晶化しなさい、という意味だろう。
平たくいえば、「強く願え」ということだ。

日本では「念ずれば花ひらく」という。この言葉を広めたのは坂村真民氏だが、念ずるとは、今の心と書く。今の心がすなわち「念」なのだ。念じていることがそのまま花ひらく。ならば、最高の念をもとう。

坂村真民氏関連サイト
http://www1.coralnet.or.jp/kkk/main/nen/nen.htm 

あまりにも有名な話しだが、かつて松下幸之助氏が健在のころ、関西で経営講演を行い「ダム式経営」の話をしたという。
ダム式経営とは、資金も人もすべてダムに水をたたえるがごとく余裕を持って経営をしなさいという意味だ。講演が終わり、1人の経営者から質問の手が挙がった。

「松下さん、経営は余裕をもって取り組めとおっしゃるが、実際はなかなかそうならない。わたしはどうしたらそのダム式経営ができるかを聞きたいのですが、もっと具体的に教えてほしい」

松下氏は壇上でしばし沈黙し、30秒ほどたってからこう答えた。

「ダム式経営はどうしたらできるか、わたしもようわかりませんのや。やり方はようわかりませんが、とにかくダム式経営をしたいと強く願うことですわ」

この意表をついた答えで、会場中が爆笑の渦に包まれた。これを松下一流のユーモアととらえたのか、「それでは松下さん、答えになってませんで」という嘲笑のヤジが飛んだ。

ところが、このやりとりを聞いていた一人の男に電撃が走った。場内満席のため、立ち聴きしていた創業間もない京セラの総帥・稲盛和夫氏である。
稲盛氏は、「とにかく願うことですわ」という松下の言葉が魂を貫いたという。それ以来彼の信条の一つが「強く願う」というものになったというのだ。

経営に“絶対”はあり得ない。すべての決定や選択は、その時点ではうまくいくかどうか分からない。しかし、まず「強く願う」という京セラの信条が生まれたのはこの時だと稲盛氏は言う。

私たちが強く願っているものは何か、いつでも即答できるようにしておきたいものだ。