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挑戦と見通し

目標を修正するということに関して。

・A社長の意見
一度決めた目標はやすやすと修正すべきではない。そうしないと社員も成長しないし、モティベーションも維持できない。だから、かなり目標との誤差が出るとわかっても、最低半年間は目標修正しない。できれば一年間は目標を変えずに行くべきだ。
 
・B社長の意見
 目標は現実性を帯びていないと意味がない。修正すべきだと思ったら、いつでも臨機応変に修正すべきである。目標値は資金繰り予定にも直結してくるのでなおさら実態に即して いなければならない。

という二つの意見がある。

例をあげて考えよう。

2005年の年間売上高目標を12億円と掲げ、毎月1億円ずつ売上げを作ると決めた。昨日でちょうど2ヶ月経過し、実績をチェックしたところ、
・1月実績0.7億円
・2月実績0.5億円
という厳しい状況が続いた。

こんなとき、A社長の会社ではやはり1億円という月間目標を下ろすことなく3月も挑戦する。B社長のもとでは、すかさず0.6億円程度に軌道修正し、必達を誓うのだ。

さて、どっちの経営が正しいか?である。

私がみるところ、どちらも正しいし、どちらも間違っている。唯一正しいやり方は、AB両方のやり方を取り入れることである。
つまり、「挑戦」と「見通し」とを使いわけるのだ。

「挑戦目標」として掲げた毎月1億円、年間12億円という数字は、少なくとも四半期または半期は変更すべきではない。なぜなら、それが目標にこだわることに対する社員への教育と“しつけ”だからである。第一、年間目標がコロコロ変わるようでは、社員に対しても、目標は必達なんだという意識を要求できなくなる。

一方、「見通し目標」として掲げた数字は、現実に即した見通しである。若干の背伸び分は入っているにせよ、あくまで現実に即しているのだ。この数字をもとに、業績見通しや資金繰り計画も組まれる。
実態を見誤らない経営をするためにも、この「見通し目標」は細かいピッチで修正されるべきだろう。

この二つの使い分けが出来るようになっていくことが計画経営力を高める重要な要素だと思う。
「挑戦目標」と「見通し目標」という二つの数字が必要なのだ。