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ツノムラ物語 その2

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Rewrite:2014年3月26日(水)

「株式会社ツノムラ設計(仮名)」が、悪戦苦闘のなかで獲得した市場シェアナンバーワンと高収益体質というごほうびは、綿密な戦略と計画があったおかげではない。膨大なものを試し、うまくいったものだけを残す。うまくいった作戦は、きりもみのようにそれを押し進める。うまくいかない作戦からは潔く撤退する。こうした経営方針のたまものと言ってよい。津野村社長が今でこそ明るく語る「ドロナワ経営」の神髄が、この物語から読みとっていただけることだろう。

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茨城県の大手書店から新店設計を受注した津野村社長は、帰りの新幹線で久保専務とささやかな祝杯をあげた。

久保:「社長、やりましたね。書店業界に的をしぼった広告宣伝は費用を回収できたじゃありませんか。」
津野村:「当面のピンチは切り抜けたが、久保君、そんなことで喜んでられないよ。書店業界への足がかりをつかんだだけのことだ。もっとオリジナリティある方法を見つけないと受注が安定しない。」
久保:「書店業界を攻めるのに雑誌広告以外で方法がありますかね?」
津野村:「よそがやってないことをやるから価値があるんだ。日本中の書店経営者に直接アプローチする方法があるはずだ。本社に戻ったら早速、その作戦にとりかかろう」

この後、ツノムラ設計では書店経営者にアプローチする独自の作戦を考案し、「頂上作戦」と名付けた。日本中の書店に電話し、本社所在地とFAX番号、社長名を聞き出すという大がかりなものだ。それによって独自の名簿を作成することにした。この作戦遂行のために、派遣社員の応援も仰ぎ、丸3ヶ月を要した。NTTのタウンページを頼りに、文字通り日本中の書店に電話したのだ。

名簿を完成させたツノムラはいよいよ攻勢をかけようとした。だが、別の問題があった。

専務:「社長、名簿も出来ました。客先は約1万あります。DMの封入はもう終わっていますが、いつ送れば良いですか。」
社長:「すぐにでも送ってくれ。」
専務:「社長、切手代がないのです。一件送るのに200円近くかかります。全部送ると200万円かかるのですが…」
社長:「なにぃ、切手代は10円じゃないのか?」
専務:「とんでもない。いつの話をされてるんですか。」

DMを送るための切手代がなかった。200万円の切手代が捻出できない厳しい状況が続いていたのだ。

方向転換を迫られたツノムラは、FAXを使ったDM作戦を思いつく。この当時、ようやくFAXが一般的に普及したところであり、まだ高価な機械であった。ましてや現在のように、FAXによるDMという考えは、ほとんど例がなかった。

専務:「FAXで一方的にDMを送りつけて先方は怒りませんかね?」
社長:「当然怒るよ。売り込みのためのDMでは能がない。書店経営者が喜ぶ内容の新聞形式にするんだ。」
専務:「いったいどうやって?うちにはそうした情報ソースがありませんが。」
社長:「それを何とかするんだ」

こうして3日後、安藤常務が大手広告代理店の「情報検索サービス」なるものを探してきた。書店経営者が求める情報をキーワード登録しておけば、自動的にFAXでツノムラに配信されるサービスだ。こうして集めた情報を毎月一回「ツノムラ通信」と名づけた新聞形式にする。それをFAXで配信すれば切手代は要らない。電話代だけで済むはずだ。

だが、また問題が起きた。FAXを1万件に送るには、社員がつきっきりで一ヶ月近くかかってしまうのだ。しかしそれもクリアする方法をみつけた。こうして始まった「ツノムラ通信」は、最初のうちこそクレーム電話が舞い込んだ。「勝手に人のロール紙を使うな」という電話だ。そうした所は名簿から削除していき、今では本当に活きたオリジナル名簿が8千社ある。紙面も充実し、徐々に感謝の返信が寄せられる。返信欄を使った資料請求も増え始めた。

「近くへ来られたら是非、寄って下さい」という電話もかかり始めた。かくしてツノムラ設計の知名度は、わずか3年間で書店業界ナンバーワンとなる。

こうして日本全国の大手書店からの受注を獲得し始め、経営は安定したかにみえた。だが、難問がまた降りかかった。経営陣のスピード感に社員が付いてきていなかった。集団離職が始まったのだ。

<明日、最終回>

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