サンマーク出版の植木社長と編集の佐藤さんと会食。私の第三作目の本『「絶対に達成する」習慣』でお世話になって以来なので、一年半ぶりだ。
何しろ今、サンマーク出版さんはノリに乗っている。ちょっとご覧いただきたい。
・『「原因」と「結果」の法則』(ジェームズ・アレン 39万部)
・『生き方』(京セラ名誉会長:稲盛和夫 22万部)
・『採用の超プロが教えるできる人できない人』(安田佳生 17万部)
・『どん底からの成功法則』(マネーの虎 堀之内九一郎 14万部)
・『6000人を一瞬で変えたひと言』(6万部)
・『幼稚園では遅すぎる[新装版]』 (井深 大 5万部)
・『加速成功』 (道幸武久 5万部)
・最近では
『きっとよくなる』(本田 健)や、『お金の哲学』(中島薫)などもヒットしているという。
サンマーク出版 http://www.sunmark.co.jp/
好調の秘訣を植木社長に尋ねると、車の両輪みたいなものだという。作品作りを行う「編集」と販売活動を行う「営業」とが、きっちり連係して動いている。
それに、長打を狙うというよりは、良い作品を出すために労を惜しまないようにしているともいう。例えば稲盛さんに『生き方』の著作をお願いするときでも、事前に編集担当にこう指示したという。
「過去に稲盛さんが書いた本や、稲盛さんについて書かれた本をすべて読むように。その中から、今回の本では何をやりたいのかを明確にして、今までにない本にするという決意でお願いにあがるように。
その事前の準備が実らずに、もし企画がボツになってもその勉強や準備は必ず次の仕事に生きるから」と。
「目標とかライバル視している出版社はあるのですか?」と尋ねると、「取材上手がはじまったね」と笑いながら、即座に三社ほどの名があがった。中でも尊敬している牟田学氏が率いる日本経営合理化協会が発行する一連の著作にはお気に入りが多く、相当読んでいるという。特に佐賀大学学長の上原春男氏の著作『成長の原理』には痛く感銘を受けたとか。
『成長の原理』(日本経営合理化協会)
http://www.jmca.net/books/genri/m26/index.html
そこで何とかして上原先生に当社からも本を出していただきたい、と植木社長自ら頼み込んで説得にあたり、自ら編集担当となって作り上げたのが今同社イチオシの本『成長するものだけが生き残る』
(「only the Growers Survive」)である。今月発売になったばかりで、まだ書店に充分には出回っていないかもしれない。
この週末、熱中して一気に読んだ。実に平明でやさしい語り口なので、スラスラ読める。それでいて内容は奥深く示唆に富んでいるのだ。
『成長するものだけが生き残る』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/476319593X/
生き残り戦略と成長戦略をわけて考えるのではなく、成長する企業だけが生き残れるのだと断言しているところがハッとする。
特に企業の成長とは、部門の創造性成長のかけ算であるとして次のような計算式を用いているところがおもしろい。
会社全体の成長は、社長の創造性×役員の創造性×総務部の創造性×営業部の創造性×生産部の創造性×経理部の創造性だとする。
社長以下、各部門が一年で10%の能力成長を遂げれば、会社全体は1.1の6乗で1.77となる。つまり、一年で77%も成長することになる。
年率77%の成長というとすごいことだが、実際にはこの通りに売上げや利益が成長するのではない。顧客の要求内容は毎年変化するし、同業他社や代替サービスの登場などで我社の既存マーケットは絶えず脅かされている。それらの変化を差し引いたのが純粋な成長率になるだろう。
もし仮に、役員も社員も全然進歩しなかったらどうなるか。要領よく仕事をするコツだけを覚えてしまって創造性を発揮することを忘れたらひどいことになる。
0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9=0.53になる。
では、みんながんばっているのに、どこか一つだけネックになる部門があればどうなるか。
1.1×1.1×1.1×1.1×1.1×0.5=0.81 になる。
サバイバル戦略という単語があるくらいに生き残りは語る経営者は多いが、私も上原氏のいうように「サバイバルしたければ、成長の絵を描け」という考えに賛成だ。
もし生き残りだけを考えるのであれば、
・使わない電気はこまめに消して回ろう
・ミスしたコピー用紙は裏側を再利用しよう
・ムダをなくそう
・経費を減らそう
ということになる。
だが、成長することを念頭に置くと、そうした努力は意味がないと作者は断定している。
<明日に続く>