帝国データバンクから信用調査が入った。調査員から「訪問したい」と電話があり、面会したのだ。
信用調査と聞くと、「当社は信用されていないのかなぁ。疑っているのはどこの会社だ?」などとネガティブな印象をもつ経営者が多いようだが、それは偏見だろう。
信用調査にも大きくわけて二種類ある。ひとつはネガティブなものだ。「果たしてあの会社とこのまま取引していて大丈夫だろうか?」などと相手が疑って調査する場合だ。
もうひとつの信用調査はポジティブな目的で行われる。どこかの企業が新たに関係を持ちたいゆえに事前調査してくるケースがそれだ。
従って信用調査が入ったからと言って、それだけで不快に思ってはならない。
次に信用調査報告書の中味を知っておこう。
企業概要、つまり企業の総合力が「評点」として100点満点で点が付けられる。この点数が高い方が良いことは言うまでもないが、世間の平均が50点というわけでもない。
「あの会社、評点が45点しかないけど大丈夫なの?」とか、「評点が50点を切るともう危ない」などという会話を耳にすることがあるが、事実無根だ。
調査データ165万社のうち80%の企業は評点が50点未満であることを覚えておこう。もっと極端に言えば、無借金経営の同族企業が評点40だったりもする。
無借金ゆえに、銀行とのつきあいが弱いとみられるわけだ。
ちなみに、日本を、いや世界を代表するような多国籍企業でも90点に到達していないということも覚えておこう。
いずれにしろ、この評点をあげていくことが信用蓄積に直結することになる。
評点の構成要素は、大きく「定量的」評価項目と「定性的」評価項目の二つに分けられる。
「定量的」評価項目の内訳は
1.業歴(1~5点)・・何年事業を営んできているか
2.資本構成(0~12点)・・自己資本比率、財務の安定性
3.規模(2~19点)・・売上高と従業員数
4.損益(0~10点)・・過去三年間の損益状況
「定性的」評価項目の内訳は
1.資金現況(0~20点)・・資金繰りを売上や収益性・回収状況支払能力・資金調達余力から評価
2.経営者(1~15点)・・経営者の業界経験、経営経験、資産背景を評価
3.企業活力(4~19点)・・企業の将来を人材・取引先・生産力販売力などから評価
4.加点(+1~+5)・・良好な資本系列など
5.減点(-1~-10)・・世評など調査時点での状況
この表を見せられて、内心「チクショウ」と思った。せっかく、誠実さとか一生懸命さ、運の良さなどを武器にしようかと思ったのに、そうした経営者の個性に関する項目はどこにもない。考えてみれば、それはすでに規模や損益などの数字に反映されているという思想なのだろう。経営者は数字のみで評価されるという現実をここでも見た。
ちなみに、調査員に「どこからの依頼で調査しているの?」と聞いても答えてくれない。彼らも社内の別部署からの要請で動いているので、依頼主の名は明かされていないのだ。
電話があった時点で調査拒否することも可能だが、かえって疑われる。決算情報などの数字も可能な限り公表し、調査に協力しよう。黙っておくことやウソをつくことはネット信用経済の中では貫き通せるものではない。
もうひとつ聞いてみた。
「当社の評点はどれくらいになりそう?」
「まだ決められませんが・・」と前置きしたうえで、ある点数を告げられた。
(明日の『ウィークリー雑感』に続く)
【読者のコーナー】
1.新潟県長岡市のYさん(女性)より
・・明けましておめでとうございます。今年もメルマガ、楽しみにしております。
さて、本日のメルマガで今年度の旅行計画が発表されてましたね。新潟県長岡市出身(幸い、中越大震災の被害は最小限で済みました。)で、産まれた時から花火を見て育ってきた私は、8月の第4土曜日に秋田県大曲市で行われる大花火競技会を3年前に衛星放送で見て以来感動し、その後2年現地で花火観覧を堪能しております。ねぶた祭りと少し時期がずれてしまうので東北祭りとご一緒にどうぞ、とは言いがたいのですが、年中国内を飛び回ってる武沢さんならもしかしてお近くに行かれることもあるかも、と思いお知らせしてみました。あの感動はぜひご家族の皆様で観覧して味わってほしいです。すばらしい花火大会なので、お知らせまで、でした。
・・
Yさん、ありがとうございました。そんなにスゴイのですか?
要・再調整ですね。