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話題を作りつづける社長

昨日に続く予定だったが、内容を変更してお届けしたい。

まずはある経営者の日記サイトから引用。

・2003/10/02(木) 
9時起床、今日は月刊誌『BOSS』(経営塾刊)とTBS『愛と誠(14日21時放送)』の撮影のため、10時にスタイリストが入る。13時半から自宅サロンにて『BOSS』連載中の「馬主日記」の打ち合わせ。15時から同じくサロンにて『愛と誠』の撮影。「TOKIO」の長瀬智也君とお笑いの「さまあ~ず」が来た。銀座「久兵夷」の大将と三代目が、松前産の本マグロ一本(94kg)をキッチンで解体。寿司約90人前(100万円)と、モンラッシェ1980年(40万円)とロマネコンティ2000年(35万円)を振舞う。3時間に及ぶ撮影の終了後、長瀬君と記念撮影。撮影後TBSのクルーに寿司のおすそ分け。社員にも振舞う。1日2本の撮影で心身ともにヘトヘト、21時爆睡。 

・2004/01/10(土) 
朝9時、「ド・ナイト」撮影隊、浅草キッドとともに京都競馬場入り。
第3レース出走のフサイチドナイトに単勝600万円を投入したものの見事に散る。その後、投げやり気分で購入した第6レースの3連複(7点BOX、各4万円)の大穴が的中。15,252,000円の払い戻しに浅草キッドとともに万歳三唱。 

とても企業の経営者とは思えぬ日常を送っているように思える。
これは、ほかならぬ関口房朗氏(ベンチャーセーフネット会長)のサイトで公開されている日記だ。
http://www.fusaichi.net/owner/todaysample.html 

また氏の経歴などについては、自著『金持学』(宝島社刊)に詳しいので、同著より、かいつまんでご紹介しておこう。

兵庫県尼崎で生まれ育った関口氏は、工業高校卒業後すぐに運送会社を起こすが、体力がもたず二年で閉鎖。いったん父の会社に入るが兄弟での衝突が絶えず退社。上京してひと旗あげようと、ボストンバッグ一個で電車に乗るが、終着駅が名古屋だったのでそのまま名古屋に住み着く。

父の会社の機械を売りまくり軍資金を確保。とうとう念願の設計関係の会社「関西精機株式会社」を設立。一時は隆盛をほこるが、10年後あえなく倒産。

39才の夏、「株式会社名古屋技術センター」(後のメイテック)設立。最初の数年こそ苦労するものの、世の中全体がアウトソーシングに目ざめ始め、一躍時代の寵児に。トヨタ、三菱重工、米ボーイングなどの設計にも参加するほどの実力をもち、東証二部上場まで果たした。(現在は東証一部上場)

1996年、定例役員会で解任動議が可決され社長を解任される。ご本人曰く「裏切りのクーデター事件」は当時の社会をにぎわせた。
「今度こそ関口も終わった」とささやかれた頃、「落ち込むと思ったら大間違いや」とばかり、通称「パルテノン神殿」とよばれる大豪邸を名古屋市内に建てた。さらに解任の翌年には、株式会社ベンチャーセーフネットを設立。今は米国ナスダック市場への上場を目論んでいる。
その間に、日本ダービーと米国ケンタッキーダービーを制した馬主として内外で話題が尽きない関口氏である。

ハデな衣装や湯水のような金の使い方は、関口氏にとって一つの広告であり芸だという。
社長みずからが会社の広告塔として話題を世間に提供し、認知度を上げるという作戦は苦肉の策として生み出されたというのだ。
それは、名古屋という土地柄が原因になった。

設計人材の派遣というビジネスは、今でこそ誰もが認めるものだが、今からちょうど30年前の1974年当時は、まったくの異端ビジネスだったらしい。おまけに土地柄は、よそ者に厳しい名古屋である。名古屋の経営者が、こてこての関西弁でしゃべる人間に、設計という中枢の仕事をまかせるはずがない。

そこで困った関口氏があみだした知恵が「どうしたら世間が我社のことを知ってくれるか」だった。
そこでいろんなことをやった。

・ディスコ入社式
・闘牛入社式
・サーキット場での企業説明会
・サッカーW杯フランス大会に学生1300人無料招待
・日米でのダービー制覇

これらはニュースだ。

2004年に入って、氏が登場したテレビ・雑誌だけでもこれだけある。新聞は含まれていない。

2004年
10/05 ニッポン放送『テリー伊藤のってけラジオ』
09/26 雑誌『GENROQ』11月号(三栄書房)
09/19 フジテレビ『ジャンクSPORTS』
09/18 東海テレビ『スーパーサタデー』
09/16 雑誌『DIME』(小学館)
09/07 雑誌『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)
09/04 関西テレビ『ナンボDEなんぼ』
08/26 雑誌『週刊ヤングサンデー』(小学館)
08/24 月刊『SkyPerfecTV!』(ぴあ)
07/25 TBSラジオ『CUBE』
07/27 雑誌『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)
07/24 月刊『SkyPerfecTV!』(ぴあ)
07/18 TBS『サンデー・ジャポン』
07/17 フジテレビ『土曜LIVE ワッツ!?ニッポン』
07/14 ニッポン放送『テリー伊藤ののってけラジオ』
06/24 月刊『SkyPerfecTV!』(ぴあ)
06/15 毎日放送『オトナのしゃべりた学級~中川家ん!』
06/15 BSフジ『ウド鈴木のバカクルマニア』
06/08 TBS『はぴひる!』
05/31 テレビ東京『大丈夫!!わが家の財産』
05/29 TBS『知っとこ!』
05/28 東京スポーツ新聞『ダービー予想』
05/24 月刊『SkyPerfecTV!』(ぴあ)
05/13 雑誌『Number』(文藝春秋)
04/24 月刊『SkyPerfecTV!』(ぴあ)
04/24 月刊『Safari』(日之出出版)
04/14 東京スポーツ新聞『皐月賞予想』
04/03 テレビ朝日『景気活性化!豪快社長バラエティー 100億円ワイドショー』
03/30 フジテレビ『F2』
03/27 テレビ朝日『ド・ナイト』
03/18 日本テレビ『壮絶バトル 花の芸能界~こんなものいらない!?スペシャル』
03/10 フジテレビ『スーパーニュース』
02/13 ニッポン放送『うえやなぎまさひこのサプライズ!』
02/08 テレビ朝日『豪邸・珍邸・こだわりの家自慢の我が家大集合4』
02/07 テレビ朝日『ド・ナイト』
02/06 ニッポン放送『うえやなぎまさひこのサプライズ!』
02/05 TBS『ジャスト』
01/31 日本テレビ『メレンゲの気持ち』
01/08 日本テレビ『壮絶バトル花の芸能界』
01/03 日本テレビ『イエローキャブ軍団』

http://www.fusaichi.net/owner/katudo.html より

もしこれだけのマスコミ露出を広告でまかなっていたらどれほどの金額になるだろう。
関口氏は、繊細で几帳面なA型人間らしい。生まれつきのパーソナリティからして今のようなハデさだったとは思えない。緻密に計算された役割意識で芸を演じているように思えるのだ。
ここまでハデなパフォーマンスが出来なくとも、あなたの会社にもニュースになるようなネタが転がっているはず。転がっていなければ、作ればよい。