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朝礼革命

意義ある朝礼を行うことができるかどうかは、企業経営のなかにおいても重要な問題である。先週、株式会社リンク・ワン(東証マザーズ公開、河原庸仁社長、東京渋谷)の朝礼に参加してその思いをいっそう強くした。

リンク・ワン http://www.link-one.co.jp/

同社は今年7月、設立3年に満たない異例の早さで東証マザーズへの上場を遂げた会社。河原社長が今年の1月、書店で私の著書『朝10分 熱い経営実現シート』(明日香出版)をみつけたとき、上場へのラストスパートに、この本を朝礼で輪読しようと決意した。

1/29から一日一テーマを朝礼で輪読し、右ページにある質問項目に答えていくという時間が朝礼メニューに加わった。6月に一巡し、今はもう一度最初にもどって二巡目に入っているという。全員が手にする私の本はすでに手あかにまみれてボロボロだが、作者としてこれにまさる喜びはない。

朝礼とは、日常と新しく向き合うきっかけ作りの意味でも大切である。

朝礼を効果的に行う工夫をしよう。メリハリ感、節度感ある運営が行われることが大切だ。私が拝見したリンク・ワンの朝礼では、大きく三つの特徴があった。

1.時間厳守(8時50分~9時5分までビシッと15分間だけやる)
2.基本テキストがある(今は私の本)
3.統一ツールがある(全員が同じリンクワン手帳を使っている)

ではこの三つの特徴を使ってどんな朝礼を行っているのか見てみよう。

10月8日(金)午前8時30分、渋谷のリンク・ワン社到着。河原社長と佐渡部長と歓談。
8時50分、佐渡部長の「みなさん、おはようございます!」のあいさつで朝礼開始。
全員が声をそろえて、「おはようございます」と明るく返事がかえってくる。

司会:「それではただいまから10月8日の朝礼を開始します。まず、『朝10分 熱い経営実現シート』、今日は171ページですが、朗読して下さる方、挙手して下さい」
数十名全員が挙手:「はい!」
司会:「それでは山田さん(仮)、お願いします」
山田:「はい、おはようございます。それでは171ページを朗読させていただきます。(以下、朗読)」
司会:「ごくろうさまでした。次に、『朝10分 熱い経営実現シート』172ページにある質問表の回答をどなたかお願いします。」
全員:「はい!」
司会:「田中さん」
田中:「はい、・・・・です」
司会:「ありがとうございました。では、リンク・ワン手帳を開いて下さい。今日の予定のページを開き、今日の課題を確認して下さい」
全員:(すでに記入済みのデイリーページで今日のスケジュールやTO-DOを確認する時間、約30秒)
司会:「はい、次に将来のビジュアルイメージを確認して下さい」
全員:(リンク・ワン手帳にはさんである個人の成功目標をビジュアル化したページを全員が確認、これも約30秒)
司会:「はい、次に経営理念とリンクワンスピリッツの唱和をします。どなたか経営理念をご唱和いただけますか。」
全員が挙手:「はい!」

(1センテンスずつ唱和し、次の人を指名する)

司会:「それでは鈴木さん、お願いします。」
鈴木:「はい、ひとつ、○○○○である」
全員:「ひとつ、○○○○である」
鈴木:「佐藤さん」
佐藤:「はい、ふたつ△△△△である」
全員:「ふたつ△△△△である」
佐藤:「井上さん」
井上:「みっつ、××××である」
全員:「みっつ、××××である」

という感じでテンポ良く、適度な緊張感を保ったまま約15分の朝礼を終える。

たった15分の朝礼なのだが、参加者はその二倍以上の時間を朝礼準備にかけていることだろう。
「リンクワン手帳」や朝礼の雰囲気はデジカメで収録し、河原社長の許可を得て「画像日記」に公開している。

画像日記 http://www.e-comon.co.jp/

日々是新(ひびこれあらた)という言葉がある。一人で行う一人朝礼も含めて、一日一日に新たな意味や意義をもたらすためのきっかけ作りとして朝礼のあり方を再考しよう。