日本の世帯別所得は年間で511万円である。それに年金などの社会保障給付を加算すれば575万円となる(平成14年厚生労働省調査)、という話をしたい。
まず、友人でもある上海の有留さんが発行するメールマガジン「チャイナ・ウォッチング-『中国開発区之森』通信」が面白いのでご紹介しておこう。
「チャイナ・ウォッチング-『中国開発区之森』通信」
http://www.mag2.com/m/0000128828.htm
最新号の8/25号では、“トウ小平「革命」の功罪”と題して中国人を取材したフランスAFP通信社の記事を載せている。
その中で気になった次の一節を原文のままご紹介しよう。
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このAFP通信の記事によると、貧富の格差を示すジニ係数が近年、危険なほどの増大を見せている。1978年にはわずか0.18に過ぎなかったものが、95年には0.452となり、02年には0.51まで拡大している。
このジニ係数とは国連や世界銀行が各国の貧富の格差を計るために用いる係数であり、0.3から0.4が「正常」、0.4以上は「深刻」とされる。
それによれば、中国は「深刻」なレベルをとっくに超えて、「危険」な領域に入ってしまったことがわかる。
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ジニ係数とは、イタリアの数理統計学者の名前に由来するものであり、日本共産党のサイトにある解説がわかりやすい。
日本共産党
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-09-13/2003-0913-faq.html
日本では今、どうなっているか。
厚生労働省のサイトには、「所得再配分調査報告書」がある。これは三年ごとに調査されるもので最新は平成14年7月18日~8月17日の調査だ。これをみれば、今の日本の世帯別所得の状況がわかる。
冒頭にのべた通り、この調査によれば「当初所得」は年間510.8万円
(前回平成11年調査比12.4%減)、「平均再分配所得」は575.2万円(前回比6.2%減)であった。
「当初所得」とは、文字通り世帯ごとの当初の所得である。「平均再配分所得」とは、税金の支払いや年金などの社会保障の給付も勘案した数字である。
また日本のジニ係数は、「当初所得」で0.4983、「平均再配分所得」で0.3812である。いずれの数字も年々拡大中であり、先進国の中で最も高く、なおかつ短期間に所得格差が広がっている国としても注目されている。
だがお隣の中国に比べればマシだろう。二年前の2002年の調査時点ですでに日本を上回る0.51という所得格差を生んでおり、今なお拡大中と見られるのだ。
ちなみに世界銀行の調査によれば、世界の所得格差は0.54である。さらには、日本国内では沖縄県が最も所得格差が大きく、富山県がもっとも格差が少ない県である。
世帯別所得調査
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/data-kou6/data14/h14toukei-1.xls
都道府県別のジニ係数
http://www.ne.jp/asahi/hamamatsu/seiji/seikatu/katechik/shotoku/kakegini.html