博多のアディダスショップでTシャツを買った。店員さんにもらったパンフレットの表紙はモハメド・アリの全盛期の写真。それに大きく印字されたつぎの言葉。
・・・
「不可能」とは、自らの力で、世界を切り拓くことを放棄した、臆病者の言葉だ。
「不可能」とは、現状に甘んじるための言い訳にすぎない。
「不可能」とは、事実ですらなく、単なる先入観だ。
「不可能」とは、誰かに決めつけられることではない。
「不可能」とは、通過点だ。
「不可能」とは、可能性だ。
「不可能」なんて、ありえない。
IMPOSSIBLE IS NOTHING.
・・・
かっこよかったので、ポスターももらって自室に張った
ある女性経営者が、ご自分の性格を次のように語ってくれた。
「私は、熱しやすく冷めやすい性質の持ち主です。子供の頃から欲しいと思ったものはほとんど全部手に入れてきました。手に入れるまでは執念深いのですが、手に入れたとたん、一気にそのものに飽きてしまうのです。この性格は、経営者としてどうなのでしょうか?」
私は、「いやぁ、素晴らしい。あなたのようなパーソナリティこそ経営者として理想的だ」と申し上げた。
ひとたび欲しいと思ったものは手に入れるまで決して諦めない執念深さは、経営者にとって何ものにも代え難い資質ではないだろうか。
この経営者は、欲望のレベルが平均より強いのだろう。すべての経営者がなんらかの欲望や欲求をもっている。私利私欲ではなく、お客や社員、業界や社会に対してなにかの貢献をしたいという欲望だ。
問題は、それがどの程度強いかである。
欲望と本気さとは正比例する。欲望と勝利も正比例する。
・欲望が強ければ強いほど、達成への信念も生まれる。
欲望が弱い人は、信念とは無縁の世界を生きることになる。
・欲望が強ければ強いほど、継続した努力が可能になる。
欲望が弱いひとは、決意はしても続かない。
・欲望が強ければ強いほど、障害をはねとばす勢いが生まれる。
欲望が弱いひとは、すぐにつまずき立ち止まる。
整理するとこうなる。
・欲望レベル「小」…ナイスガイタイプ
目標にいたる中間地点で、予期せぬ事態や予想以上の障害に直面すると、すぐに目標そのものを断念または大幅妥協する。摩擦を起こすよりは自分さえ我慢 すれば良いと思っているので、「イイです、イイです」が口ぐせ。
・欲望レベル「中」…やってみましたタイプ
目標に向かって挑戦しようという気持ちはもっている。だが、達成を誓うと言うよりは、善戦することを楽しむ85点主義者。負けてもなぜか笑顔がすがすが しい。
・欲望レベル3「大」…選択肢は“達成”しかない
目標未達成はあり得ない。あらゆる手段を講じてゴールにたどり着く。ゲームセットの笛がなるまで勝利しか見ていない。そして、事実、普通の人々よりも 圧倒的に多くの勝利を手にする。
IMPOSSIBLE IS NOTHINGなのだ。
また、成功する経営者は乱戦を好む。平穏無事な状態に退屈する人が多いようだ。挑戦した結果、いままでの不確実性が確実性に変化する。そのとたんに、そのものの魅力は色あせる。だから、耐えず不確実性を身の回りに抱えていたい。だから、冒頭の女性経営者のようになるのではないだろうか。