ある清涼飲料メーカーの国内グループ規模がここにある。どこの会社だとお思いだろうか。
・全従業員数:23,000人
・営業所数:545カ所
・セールスルート数:7,500ルート
・取引顧客数:55万軒
・自動販売機設置数:98万台
・設立:昭和32年(翌年、現社名に変更)
そう、正解は「日本コカ・コーラ株式会社」である。
ボトラー15社による製造販売と、きめ細かい配送システムのおかげで、日本国内どこに行っても、あの爽快な喉ごしのコカ・コーラを楽しむことができる。
日本コカコーラ http://www.cocacola.co.jp/
本家はアメリカだ。
1886年、米国ジョージア州アトランタの薬剤師ペンバートンが頭痛薬を発明しようとするうちに誕生した「コカ・コーラ」。当初は、清涼飲料として売る以外に、薬品としても売られていた。
ある日、二日酔いの頭痛患者が薬局にあらわれたとき、普段は原液を水で割るのだが、店員が間違って炭酸水で割って提供したところ、お客をとりこにしたという。
(『コカコーラ 血族たち』 太陽社刊より)
これぞ究極の単品ビジネスというべきか、はたまた単一アイテムビジネスというべきか。いずれにしても、世界規模でこれだけ単一ドリンク事業を大成功させた事例は他に知らない。いや、ドリンクに限らない。単一商品だけで世界を制覇し、今なお支持されている商品って他になにがあるのかと、考え込んでしまう。
今では、世界200カ国以上で発売されるコカ・コーラは、他の収益もあわせると、世界全体で210億ドル(2兆5千億円)ビジネスになり、今なお年率4~5%の成長率を維持しているというから驚きだ。
米国コカコーラ http://www.cocacola.com/flashIndex1.html
さて、一世紀以上におよぶコカコーラビジネスのあらすじにご興味がある方は、『コカコーラ 血族たち』(太陽社刊)をお読みになると良いだろう。余談だが、500頁を越えるこの大分量の原稿は、残念なことに冗長な箇所も多く、上手に拾い読みする技術が必要だ。
さて、この本を読んでいて、私はコカ・コーラに対する謎がひとつ氷解した。それは瓶詰めの問題だ。
コーラを瓶詰めにするボトリング会社は別法人であり、しかも当初は、資本関係すらまったくなかった。
日本のコカ・コーラでも15社ものボトリング会社があり、それぞれが株式公開するほどに資本的にも独立しているのだ。それはなぜなんだろうという疑問だ。
<明日につづく>