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補給が決め手

2003年3月20日に始まったアメリカによるイラク攻撃。わずかその3週間後の4月11日にフセインの銅像が引き倒され、あっけない終結を予感させた。
ところが戦争は都市を制覇したり、シンボル像を倒すだけでは終わらない。開戦9ヶ月後の12月14日、敵国の長・フセインが拘束された。敵将の首をとったわけだから、いよいよ終戦と思いきや、いまだにこの戦争は終結していない。なぜならば、これは国家間戦争ではなく、テロリストグループとの「終戦なき戦争」に移行しているからだ。

さて、
一般的に戦争を決定するものは何か。それは補給である。

戦線に対して供給する兵員、兵器、輸送機や船舶、燃料、資源、食糧
などが底を付いたとき、戦意を喪失し、戦争の継続を断念する。いや、継続できないのだ。だから戦争では、まず軍需工場や飛行場を攻撃する。
逆に言えば、どんなに劣勢であっても補給ができている段階では、まだまだ戦えるものである。

私たちのビジネスも、ある種、補給の戦いである。
新しい情熱、アイデア、武器、資金、スタッフを継続的に投入することによって戦いを優勢にもっていこうとする。劣勢を挽回しようとがんばれるのも補給があるおかげだ。補給がなくなると、その戦争は終わる。

戦争でもビジネスでもすべての局地戦で勝つ必要はない。部分的には敗北する場面や命からがら逃げ帰る時もある。それは、信長も秀吉も家康も、三国志の武将たちも皆経験していることだ。

大切なことは、補給を継続することだ。

補給を続けるためにはどうすべきか。
それには、まず正確な現状認識をすることである。今何が起きているのかを感情や主観を交えずに把握するところからスタートする。事実と意見とをミックスさせないことだ。
まず事実を集めよう。数字を集め、今の状況をありのまま客観的に理解する。その次に、今補給できる資源は何か、どの分野にそれを補給すべきかを考える。

幸い、戦争とビジネスを分ける大きな違いがある。それは、アイデアと情熱があれば、他のすべてがなくても何とかなる、という点だ。

さあ、あなたの補給作戦を見つめてみよう。