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不人気メルマガも悪くない

タレントの出川哲朗さんが婚約した。「抱かれたくない男性」、「一緒にいる所を見られたくない男性」など数々の不名誉なランキングで首位を独走する彼が、意外なまでの美女と婚約をしたのだ。

http://www.maseki.co.jp/main/Profiles/DEGAWA/degawa.html 

モテない男の代名詞であることに、出川氏は誇りをもっているようだ。ドラマやプロレスにも悪役が必要であるように、タレントでも「モテない男」という名誉ある「不人気者」が必要なのかも知れない。そういえば、いかりや長介のドリフターズも、欽ちゃんのコント55号も、伸び盛りの最中には「低俗番組の王」として、教育委員会を騒がせたほど、一部の人たちに不人気だった。


不人気が人気の一種であるのは、芸能界だけの話ではない。

『ひつ月百冊読み、三百枚書く私の方法』でおなじみの作家、福田和也氏は、“良い文章は読者に何らかの行動をさせる”と言っている。例えば、グルメや映画の評論であれば、実際に足を運ばせるような文章がよいわけだ。
また、ネガティブな反応でも構わないとも言う。
・読者を怒らせる
・読者を不愉快にさせる
・抗議メールが来る

こうした行動を読者にとらせること自体が一つの価値だというわけだ。


メルマガ作者が一番つまずきやすい点がここにある。

ふだん、メルマガ作家の手元に届くのは感謝であったり、提案であったり何かの依頼であったりする。内容の如何に関係なく、礼節を感じる文面であり、うれしいものだ。

ところが時折、攻撃とか誹謗中傷に近いようなメールが届く。それもいたってマナーが悪い。そうしたメールに普段から免疫がない。再読に値しないような文面であったとしても、意味を理解しようとして、くり返しをそれを読む。すると、激しく落ち込む。そうして、一通のメールが作者を三日間だめにすることもできるのだ。


だが、これは送信者が悪いのではない。受信者であるメルマガ作者のほうが悪い。

読者にキーボードを打たせたということは、すでに勝利したのだ。何かの刺激を読者に与えた証拠であり、すでに影響力をもった証なのだ。

せっかく作った文章が軽く読み飛ばされ、誰からも何の反応も来ないようなメルマガこそ深刻な問題だと思おう。

読者から毎日メールが来る、そのうち何割かは批判や攻撃である。いちいち返事を書かないし、言い訳もしない。だが、受け取った意見を肥やしにしつつ、前進をやめない。それこそが、インパクトあるメルマガ作家のスタイルではないだろうか。