10日前の大連・青島視察ツアーに参加された有限会社ハウスデザインの槙島さんからメールを頂戴した。視察に次ぐ視察、食事中までミーティングという精力的な中国ツアーに対し、彼ならではの感想が面白い。ご本人の了解を得たのでご紹介したい。
・・・今回は大変お世話になりました。正直なところ、これほど内容の濃いツアーだとは思っていませんでした。今まで、自分ではそれなりに頑張ってるつもりだったんですが、武沢先生のスタミナには驚きました。ある意味、すごいショックです。先生のタフさは関西風に言うなら、「ありえへん」って感じでした。(後略)
・・・
槙島さん、ありがとう。特に私は外国に行ったとき、移動中も含めて、眠るのが大変もったいなく思うのです。それに、「ありえへん」位のスタミナがこのメルマガの原動力です。
さて、昨日の続き。3/12「中国市場攻略セミナー」の後半をお届けしたい。
第三部は、主催者のサイバーブレインズ鶴岡秀子取締役の講演だ。同社が運営する事業のひとつに「チャイナ・サーベイ」がある。中国市場に進出しようとする際、今の中国がどうなっているのかを調査したい場合に有益な調査サービスを提供するものだ。
無料調査レポート(今は次の四本が公開中)
・中国人の白酒購買動機とは~中国人の面子と消費の関連性(PDF)
・ロレアルがローカルブランドを続々と買収(PDF)
・ペットボトル飲料の購買実態調査
・年収区分による主な耐久消費財等の所有状況
有料調査レポート
・中国携帯電話市場 プロモーション・販売チャネル調査
・CHINA中国主要16都市消費・生活実態調査レポート
・CHINAヤングアダルト層消費・生活実態調査レポート
など
オーダーメイド調査
・産業構造調査
・個別業界や製品に関する消費動向
・企業信用調査
など
これらの調査を行うために、独自で集めた48万人の調査協力会員を中国国内に持つほか、中国の調査会社とも提携して低コストでサービス提供を行うのが同社の強みだ。
チャイナ・サーベイ http://www.chinasurvey.jp/
第四部は、講師陣が勢揃いしてのパネルディスカッションの時間だが、そのコーディネーター役を私がお受けした。まず、冒頭のあいさつでお話ししたことは、次の通り。
・中国は、リスクと利益のいずれもが大きい国である
・そもそも、ビジネスとはリスクを利益に置きかえる行為である
・我々が留意すべきは、“リスクパフォーマンス”を最大化する計画つまり、あなたにとっての「中国ビジネス成功計画」をまず作ることである
・いつまでに、どのような状態になっていたいのかを紙に書こう
・「資本と資金は」「法律は」「人材は」「マーケティングは」「管理は」「物流は」「コミュニケーションは」「その他、横たわる障害とその解決策は」なども紙に書きながら肉付けしていこう
・最終的には、いろいろな都市をまわり、現地でいろいろな人に会って、最も肌に合う都市で肌にあう人と組むことが一番大切である。
苦手な街、苦手な料理、苦手な人と組んでいては、うまくいくものもいかなくなる
参加者からは、
・中国の経済発展の今後の見通しをどう思うか
・元の切り上げはいつ頃ありそうか
・代金回収の問題をどう処理すべきか
など、かなり具体的でつっこんだ質問が出た。ここでは回答内容を割愛するが、講師によって見方が異なる場面もあった。
中国人ビザ緩和
ところで、3/10付け日本経済新聞にこんな記事があったのをご覧になっただろうか。
・・・中国人のビザ取得 容易に
IT技術者 役職問わず 修学旅行生 手数料ゼロ
政府は九日、中国人のビジネスマンや観光旅行者が来日する場合に必要な査証(ビザ)発給の基準を緩和する方針を固めた。
日中間の情報技術(IT)分野での取引増大を受け、職歴が短くてもIT技術者であればビザ取得を容易にする。日本を訪れる修学旅行生のビザ発行手数料を免除、一般の観光旅行についてもビザを申請できる対象地域を拡大する。四月以降、順次実施する。
中国人ビジネスマン向けでは、二〇〇二年から期限内なら何度でも短期滞在できる数次ビザを発給している。だが、中国国営企業や外資系大手企業で「取締役以上」、日系企業でも「課長以上または勤続一年以上」など用件が厳しく、職歴が短く企業内で役職につくことが少ないIT技術者の取得は困難だった。このため、中国人IT技術者は一時滞在ビザを日本出張のたびに申請。迅速な対応を求められるIT業界から不満が出ていた。今春から中国国内のIT技術資格の取得者やIT関連の学校卒業者であれば、役職や勤続年数にかかわらず、原則として数次ビザを取得できるよう基準を改める。
観光旅行を巡っては、修学旅行で日本を訪れる中国の小中高生の短期滞在ビザ取得に一人三千円の発行手数料が必要だが、今春にも無料化に踏み切る。一般の団体観光旅行者へのビザ発給では、北京、上海、両市と広東省の居住者に限定している対象地域を拡大する。中国側はすでに沿海部四省と天津市を加えるよう求めている。これを踏まえ政府は日本への直行便がある大連のほか浙江、江蘇両省への拡大などを軸に調整しており、夏までに決定する。
・・・
ビジネスマンや旅行者が中国から気軽に日本に来られるようになる。ますます日中相互交流は加速するわけだ。そこに新たなビジネスチャンスがあるが、安閑としてはいられないはず。もし、あなたの同業他社が中国チャンスをものにした時、あるいは、中国企業があなたのライバルとして突如表れたとき、あなたにとって中国は脅威となる。
「中国なんか行かなくてもやっていける」と言い切れる会社がどれほどあるのだろうか。