「できるじゃないか」
私は一人、そうつぶやいた。英語が不得手な私が、悪戦苦闘しながらも『HOW TO BECOME CEO』(JEFFREY FOX著)を原書で読んだ。2月中旬、我が子と訪れた米国東海岸。デトロイトの空港で購入した、この本がとても面白く、一週間強で通読するのに成功した。
作者自身が本の中で「Write in Plain English」(平明な文章を書け)と言っているように、この本は実に平易な文章で書かれている。それだけでなく、面白い。
ビジネスピープルが社長の座を射止めるために何が必要かを75項目にわたって詳述し、前書きによれば、ビジネススクールやMBAでもこうした内容は教わらないという。
その中から印象に残った26項目を見出しだけ紹介し、その後、作者の主張をご紹介してみよう。いかにもアメリカ的な合理精神に富んだものもあれば、日本以上に日本的なアドバイスも含まれていて、作者のバランス感覚に驚く。
・・・
1.“やつら”と酒を飲むな
2.たばこを吸うな
3.すべてのオフィスパーティは欠席せよ
4.45分前に出社し、15分後に退社せよ
5.家に仕事を持ち帰るな
6.出張での移動中は上役と離れて座れ
7.ホテルで食事せよ
8.仕事せよ、機内では決して本を読むな
9.手書きの手紙を送れ
10.上役と必要以上の仲良しになるな
11.いつも休暇を取れ
12.月に一日、図書館にこもれ
13.大きな出来事を毎年一つ作れ
14.これらの本から学べ
15.状況にあった服装術を学べ
16.部下に投資せよ
17.部下に余分に支払
18.愛社精神の旗振り役を担え
19.分かりやすく話し、分かりやすく書くことを学べ
20.成長と魅力はつまらない仕事のあとに来る
21.社内政治から離れよ
22.予算(経費の)を超過するな
23.相手を過小評価するな
24.家族を最高の顧客のように扱え
25.帝国を築こうとするな
26.教えることは学ぶことであり、リードすることである
・・・
1.利益の最大化のために仕事をせよ
どんな業種のどんな部門で働いているとしても、利益(現金)の最大過に直結した仕事を期待されていることを忘れてはいけない。
武沢:”most money”が期待されていると原文にある。現金を最大化することを仕事の目的と言い切るのは、偏った見方に思える。だが、ビジネスでは”most money”というシンプルな目的を見失いがちでもあるので、いつも肝に銘じておきたい。
2.体重を適性に保て
あなたの頭脳や精神があなたに利益をもたらす。その頭脳や精神は、あなたの肉体コンディションに負っていることを忘れるな。ビジネスピープルの90%は適性外であり、その時点であなたは優位にたてる。
武沢:耳が痛い話だが真理だろう。体重コントロールと自尊心は直結しているので何とかしないといけない。
<続く>