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ウィークリー雑感

『アイデア×アイデア』、『起業・企画・営業・雑誌のネタは日常の諦めている不便利から』(田口元著、英治出版)

友人の田口さん(百式管理人)が、自著を二冊同時発売しました。すでに大手書店ではならび始めています。

この二冊の本を通して田口さんが世の中に主張したことは、“アイデア”、つまり独自の視点と発想法にもとづく新しい可能性に気づいてほしい、ということではないでしょうか。『アイデア×アイデア』の方では、ドットコムサイトの紹介を通して、新しい「へぇ~」をふんだんに紹介してくれます。『諦めている不便利』の方では、百式メルマガ読者から寄せられたアイデアをもとに、彼の視点による整理整頓がきちんと行われていて、痛快です。

こんな本、なかった。そして、売れています。まだお近くの書店にない場合は、amazonから。

アイデア×アイデア
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234358/ 
諦めている不便利
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234366/ 

百式サイト http://www.100shiki.com/ 

読者メール 「売上げ100倍」Kさんより

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「社長が辞める時」のアンケートについて、ひとつの実例を紹介いたします。実は社長が辞めるとき、を明確に意識していなければならない状況というのが、企業にはあります。(自分の話です^^)零細企業、もしくは小さな中小企業、且つ同族経営の2代目は、それを意識していなければ、決して会社は伸びないと思います。自分は20才の時、大学を中退して父親の経営する会社(一人の会社)に入りました。入るに当たっては、特段立派な事情などありませんが、二十歳の若者、夢も希望もある若者としては、でっかい会社にしたいと素直に考えたものです。

最初に出勤(自分の家ですが)した日に、そのときの会社の年商が毎年25%ずつ増えたとして、何年経ったら100億円の売り上げになるのかを計算しました。すると33年後に到達することがわかったので、53歳で100億円という目標を設定しました。(これは単純に、25%くらい軽い!と考えたからで、なんの前提もありません)

ところが、目の前にある会社は、父親が一人で経営?(加工)している機械屋さん。会社が大きくなるには、当然社員も増えていくはずですが、目の前の会社を見ると、「誰だってこんな会社に入りたいとは思わないだろうな・・・」という状態です。(油だらけ、まっすぐ歩けない、鶏小屋とほとんどかわらない)

まだ、会社にどっぷりとつかっていないので、まったく第三者の気分で見れたんでしょうね・・・・

「この会社が100億の売り上げを達成するには、営業とか、技術とかの前に、とにかく家内制手工業から、会社にならなければならない」と考えました。(当たりまえですが)

そんな中、社員を募集し始めるのですが、優秀な社員は格段の給料を出さなければ決して残りませんでした。そりゃそうです。同族経営では、なんだかんだ言っても、儲かったら社長のものですから・・・・

会社が成長したら、ポジション、収入、社会的地位、それらが獲得できる「可能性」がなければ、誰だって本気でがんばるものではありません。その社内での社員の成長のルールが、同族経営の零細企業にはないんです。(それでいて、家族の食卓のおかずを減らして、必死に生きている社長さんがたくさんいるのは悲劇ですが)

そこで、自分は自分にこう言い聞かせました。「同族経営であるのは、今は仕方がない。銀行との付き合い、業者さんとの付き合いを考えれば、企業として得策である。しかし、本当に成長する価値ある会社になるためには、きっぱり俺の代で同族経営から脱却すると心に誓おう。そう決心している俺の言葉に共感してくれる社員が、いずれ出てくるだろう。その社員たちが、100億を達成するための仲間になるはずだ」と・・・・・・

そして、同族経営から脱却するその日を、たまたま売り上げベースで想定した53歳としたのです。(つまり自分がやめる日です)やめると決めた日については、いまとなっては何の根拠もありませんでしたが、もしこのとき同族経営から脱却すること、そしてそのことを忘れないため、その日を決めていなかったら、いま現在の当社は決してありません。
あふれるほどの才能があるならまだしも、ほとんどの人間は、必死に働いてやっと世間並みのはずです。
そんな自分が、何とかやってこれた、もしくは社員と共にここまで生きてこれたのは、「53歳には引退するんだから、がんばらなけりゃ」というように、53歳を時間の制約としてがんばったわけではありません。
53歳で潔く引退するという決意が、フェアな心を醸造し、「社員を雇っている」ではなく、バトンを渡す相手として社員を意識できたからだと思います。

ps:おかげさまで、計画には未達ですが、売り上げは現在100倍にはなっています。
(53歳で1500倍が、20才の時の目標です。若いっていいなー^^)
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Kさん、素敵な体験談、ありがとうございました。

若さについて

たしかに若いってことは素晴らしい。残された時間がそれだけ長くあるわけですから、有利でしょう。ですが、長期計画をたてるのは若者だけの特権ではありません。松下幸之助さんは「命知元年」として使命を確立し、250カ年計画を作ったのは40才(昭和7年)のとき。伊能忠敬が、日本地図づくりのために20才も年下の天文学者に弟子入りして勉強し出したのが50才。(当時、人間50年時代ですよ)

自分一代において何ができるかを考えるのではなく、吉田松陰の辞世の句にあるような「留め置かまし大和魂」の気持ちで、あなたの志とDNAを組織に注入しましょう。


読者メール 「Raw Data(生データ)を持つ強み」 Iさん

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私は、アンケートとか、実験の結果とか、データの数字は全て、数字を取った人のものだと思っています。世界の5本指に数えられるような、その分野の権威といわれる先生方から直接指導をしてもらって修士論文を書いた経験から、です。

Raw Dataを以って、そこから何を論じるのかは、データを取った人の自由で、反論があれば、自分が正しいと思う方法で同じ様に数字を取って、その結果から、反論すべきで、そうしない人は同じ土俵に立つべきではない、と。

もちろん、どう見たって数字の取り方がおかしければ論外ということになりますけれど。そんな場合には、反論する時間も勿体無いと、切り捨てていました。

なので、RawDataを持っているのは武沢さんなので、もっと自由に料理していろいろな話を展開されたら聞いている側としては楽しいのだけれどなぁ、と昨日(2/5号)の話にはちょっと物足りなさを感じたのでした。

「がんばれ社長!」を読んで、すぐに「社長の辞め時」のような、ちょっと耳の痛いアンケートに答えるという社長さんはきっと、忙しさを言い訳にしない方々なのでしょうし、そういう人たちを母集団にしたアンケートの結果であれば、好調な人たちが集まるのは当然といえば当然なのではないのかなぁ、と思うんです。

あ、これは、数字がおかしいとかいうことではなくて、熱い社長さん方が集まってきているのは素敵なことだと思っている、ということです。

そんな元気な社長さん方から集まった沢山のアンケートの結果から、どんなお話が展開するのか、楽しみにしています。次回著作楽しみにしています。
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iさん、応援メールありがとうございます。

「がんばれ社長!」アンケート結果
http://www.e-comon.co.jp/kekka/ 

最近の皮膚感覚

以下の話は「Raw Data」というよりは、多分に皮膚感覚での話です。私は、沢山の経営者と直接・間接問わず、毎日たくさんお会いしていますが、ある経営者団体では、過去7年以上にわたって「がんばれ社長経営力チェックシート」で、自社の経営力を採点をしてもらっています。(延べ300社ほどに採点してもらっています)

採点結果は「危険」「警戒」「一般」「健全」「優良」の五段階に分かれるのです、この1~2年、明らかな傾向がみられます。日本経済が不信のどん底にあった3~4年前は、「危険」「警戒」に入る企業で過半数を占めていました。今では、平均点がほぼ一ランク底上げされた格好になっています。

こうしたデータなども一貫してとり続けていくと、本当の「Raw Da-ta」と呼べるものになるのでしょうね。ちなみに、今日は埼玉の中小企業振興公社でも同じデータをとります。

さて、あなたの会社で使える「Raw Data」について、一度考えてみましょう。