塞翁が馬
「人間万事塞翁が馬」と言います。突如のフライトキャンセルで上海のはずれにひと晩足止めを食らったわけですが、それがまた新たな出会いの機会になりました。まずは、簡単にことの顛末から。
1/5(月)、今回の同行者である田口さん、寺脇さん、竹田さんと午前中でお別れし、私は上海オフィスでメール処理。夕方、空港にチェックインし、搭乗口でフライトを待っていたら、突如、ほかの乗客が騒ぎ出しました。理由を聞くと、フライトがキャンセルされたと言うのです。その夜は空港から40分離れた辺鄙な村の三つ星ホテルに全員が宿泊。ツインルームに二人相部屋ですが、追加料金120元(1800円)を払ってシングルユースにしてもらいました。ちなみにこのホテルは、フライトキャンセルになった時専用のホテルと言っても良いホテルだそうで、フロントの女性陣は怒られ慣れしていて対応が意外に爽やかでした。
1/6(火)、午前4時、モーニングコールでたたき起こされ、乗客約150名はホテルをチェックアウト。航空会社が手配したバスで空港へ移動。予定時刻の1時間遅れ午前8:45に上海空港を飛び立ち、昨日の昼前には名古屋に到着しました。
フライトキャンセルが決まった時点で友人に電話し、今夜も上海にいることを伝えたところ、「武沢さん、せっかくの機会なので今から私の友人も誘って鍋でもつっつきましょう。ホテルから上海の中心までタクシーで来て頂けませんか」と誘われ、直行。予期せぬフライトアクシデントが、上海での友人作りにまた一役買ってくれました。
お会いしたYさんとLさんはともに30代なかばの中国人男性。ともに日本でのビジネス経験があり、日本語には苦労しない。Yさんは、日本で永年勤めたテレビ番組プロデュースの経験を活かし、昨年帰国し、独立。今は、中国の国営テレビ放送の番組プロデュースをビジネスにする。Lさんは、日本のシンクタンクや金融機関でのキャリアから思い切って転身し、今では中国でタレント養成学校を経営する。日本の大物タレントや音楽会社の経営者とも太いパイプをもち、彼の育てたタレントが日本で大活躍する日を夢見ている。
彼らに「がんばれ社長!」を語り、日本人・中国人論を語り、彼らも観たという「ラストサムライ」の感想や歴史観などを議論したわけですが、羊肉のおいしさを忘れるほど充実した3時間でした。
「塞翁が馬」と言うとおり、与えられた環境をぼやいたり嘆いたりせずに、それが何かのチャンスだと信じて行動すれば、その通りになるということを確認できた次第。中国メディア関係者と親しくなれたことは幸運でした。
しのぎを削る中華レストラン
今回の上海訪問の目的は、上海に精通すること。地理や流行、ライフスタイルなどをなるべく上海人の目線で感じてきたかったのです。そこで、上海で活躍する藤本さん(「夜の健康食品」サイトオーナー)にすべての食事をプロデュースしていただき、上海で今人気のスポットを巡りました。火鍋あり、四川あり、飲茶あり、中華クレープあり、ウルグイ料理あり、水煮魚あり、大満足でした。
栄枯盛衰
中華料理のメニューの中にも、はやりと廃れがあり、お店同士の激しい競いあいがあるわけですが、今回は地元の若者に支持される勝ち組レストランを回っただけあって、圧倒的なお値打ち感を体感することができました。
藤本さんの「夜の健康食品」 http://www.3bin.com/
リニアモーターカー体験
世界広しといえでも、リニアモーターカーに誰もが乗れるのはここ上海だけでしょう。今回、初めて私と田口さんは、これに乗りました。今のところ、土日だけの運行ですが、今年中には毎日運行になる予定とのこと。
浦東の国際空港から、浦東地区の中心街まで自動車なら30分以上かかる所をわずか7分で疾走します。片道料金でVIP車両が一人150元(2250円)、エコノミーがその半額です。往復両方の車両に乗りましたがどちらに乗ってもガラガラに空いていました。
磁石の反発力を利用して時速431キロで疾走するわけですが、それはまさしく暴力的な速さ。空気抵抗による風切り音と振動を感じながら、飛行機離陸時のあの感覚で突っ走る加速感がとても気持ちよかった。
大らかというか中国的だなぁ、運転席をのぞいてみたら、意外にも若い女性がニコニコ楽しそうに操縦し、その横でドイツ人らしき技術者が現場指導していました。
このリニア、中国人にとっては値段が高いことや、上海の中心地まで来ていないことから日常の足と呼べるほどではありません。まだまだテスト運行的な段階ですが、正式運行も時間の問題。土日に上海へ着いた旅行者は、一度は体験しておくべきでしょう。
上海リニア情報
http://www.iijnet.or.jp/IHCC/newasian-chinarail-shanghai-maglev-rail01.html
田口さんの「百式」 http://www.100shiki.com/
田口さんの「東京ブック」 http://tkb.jp/