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社長は作家になろう

ビジョンを描き、語り、影響を与え、行動を促す。

その作業をビジネでやるのが経営者なら、文芸でやるのが作家である。だから、良い経営者を目指すことと良い作家を目指すことは同じ努力の延長上にある。ドラッカーの言葉を引用するとこうなる。

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経営管理者になるためには、二つの種類の勉強が必要である。ひとつは経営管理者になる前に身につけることができるもの。若いころから身につけられることである。もう一つは、経営管理者としての経験があって初めて学ぶことができるものである。

若干誇張していうならば、今日大学で教えている科目のうち、経営管理者の準備として最も有効な職業教育は、詩や短編小説を書く訓練である。自らの考えを表現する方法、言葉とその意味を知り文章を書くことを訓練することである。
『現代の経営』より
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経営計画書を作る技術と小説を作る技術は似ている。

最初は下手だ、という点が特に似ている。やるうちに、上達する。上達するための最大のポイントは、書き続けることだろう。他人の批評を浴び、成果を確認しながら、次はもっと上手になろうと改善することである。そうすれば三作目(三年目)、四作目(四年目)と進むにつれて、上達し、さらに妥協することなく飽くなき挑戦をすれば、北斎の言う、「神妙の域に達する」ことも可能になるだろう。

経営者と作家、異なる点をひとつあげるなら、作家は一人で成果を上げるものだが、経営は人を使って成果をあげるものである。しかし、それとても経営計画書を神妙の域に達するところまでは一人でやれるわけであり、経営計画書が上達しないことの言い逃れにはできない。