実在する企業家を主人公にした短編小説を書く。電子書籍でそれを毎月書くと決めて四ヶ月目に入りました。今月もどうにか発行できそうでホッとしています。
「この人の人生を小説にしたい」と思う人を何人かリストアップしています。一方的なリストアップなので断られる可能性もありますが、今のところ、やんわりと交わされることはあっても拒否されたことはありません。
OK、協力しましょうとなると、取材のためのミーティングが 2~5回あります。一回あたり 2時間から 4時間で大学ノート何冊分かのメモを取ります。
そうすると、人生のハイライトとテーマが分かります。「ウオダイ物語」ですと、ウオダイさんが成績不振でホームセンターにロープを買いに行ったところや、激安店に商売替えするところ、ガイアの夜明けに取材されて大爆発するところなどです。「アジアの小太陽」ですと、香港駐在に名乗り出るところや華僑の大物と飛行機で出会うところ、マンション投資に成功して富豪への道を歩き始めるところなどです。そうしたハイライト場面を串刺しすることで、その人の人生に流れているテーマを考えます。ウオダイさんではそれが商売と家族と人生であり、アジアでは、アジアと好奇心と投資です。
次に設計図を書きます。ウオダイのときはそれがないまま書き始めましたところ、途中で息切れしそうになりました。アジアのときは設計図をもとに書き始めたので、極めて計画的かつ生産的に書き上げることができました。なので今作品も設計図を一週間がかりでつくりあげ、それから執筆を始めています。プロットとかあらすじとか独特の業界用語があるようですが、私は独自の「設計図」が肌にあいます。目次にあらすじを加えたようなものと、登場人物ごとの年表のようなものです。
取材メモは膨大な量になりますが、取材直後に何度か読みかえすと頭にすべて入りますので、あとはあまり見ないようにしてしばらく寝かせます。寝かせたあと、タイミングを見計らって一気に二週間くらいで書き上げ、次の一週間で取材メモによる確認や文章の推敲などを行い、第三者(主に家族や友人、場合によってモデル本人)に確認してもらいます。紙の出版と違い編集者がいないので複数の人の目で見てもらうことが大切です。
今週発売予定の「企業家列伝シリーズ第四弾」は、串本の漁師の息子・中浜秀紀が高校を卒業し、ニューヨークで大成功している実業家の家で家事手伝いしながらコックの修行を始めます。日本にいる秀紀少年は抜け殻みたいで、殻の中味はアメリカにいる、それを見つけにいく旅という基本設定です。
しかしアメリカで思わぬできごとに遭遇し、わずか 7ヶ月で修行を断念。ニューヨークで出逢った恋人と一緒に傷心で日本へ帰ろうとするのです。そこから物語は予期せぬ展開をみせます。ご本人の希望で氏名と会社名、地域などはアレンジしてありますが、あらすじはすべて実話です。
今朝、脱稿しました。今日から第三者による確認が始まっています。イラストレーターに頼んで挿絵も何枚か入れることにしました。それらの作業が終わり次第、(おそらく木曜日あたりに)発売できる見通しです。
今までモニター価格として 300円でご提供してきましたが、今回の作品の発売にあわせて「企業家列伝シリーズ」はすべて 580円といたします。
ご購入予定がある方は 300円で買える今のうちにご利用ください。
・ウオダイ物語 http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3854
・アジアの小太陽(上) http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3853
・アジアの小太陽(下) http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3873